フタゴ編 どれほど歩いたんだのだろう。気がつくと、突然森が開けた。 「アリサ、そろそろ入り口に着くよ。」 ロイドは歩けば歩くほど、ワクワクしていくようだった。 ずっとまた(?)ここで私と会うのを楽しみにしてたらしい。電車を降りてから、その話ばかりしている。 ……私は逆にどんどん不安になってくる。 運転してないのに動く電車に乗っているよりは、状況はかなり良くなったけれど……。 ここってアリスがあんなに怖い思いをした不思議の国でしょ?次にいつ何が起こるのかなんて分からない。 「あっ、やっぱりフタゴが迎えに来てる!」 ロイドはそう言うなり、私の手を引いて走り出した。 走っている方を見ると、背の低い少年二人が、こっちに向かって手をふっていた。 prev/next |