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 また、はじまりの日を思い出していた。


 あの頃は、新しい世界を見つけたくて、何の計画も予定もなく私ができる手段で何も見えないくらい眩しい白い光へ飛び込んだ。


 今もあの頃と同じ場所にいる。あの頃は少し迷うことに不安だったが、今では迷うことが心地よい。迷うということは、ここではどこにでもいけるということだった。

 それが分かったことが、私がここに来た意味だったのかもしれない。時間が積もるように、今日も文字が積もってまた私という人間のきせきを描く。それは私にとってはとても自然なことで、自由なことだった。


 それは水面に浮かんでいるような、あるいは空を漂っているような、水流の一部となっているような、風と共に動くようなそれらを全て合わせた感覚だった。


 人がどれだけ無意味といおうと、私にとっては必要なことだった。



 今日も一輪花がほころぶように、光が私を呼んでいる。






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