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 彼女にだけには、知っていてほしい話があります。


 遠い遠い昔に、確かに私が願っていた未来があって、そこは、太陽よりも眩しい光で溢れていて、そこに彼女が笑っているのです。


 それが私の願っていた未来でした。



 その未来にはたどり着けているのでしょうか。近づけているのでしょうか。

 形にはなったのだけれど、目指していた場所とは同じだけれど、私には、全く光が見えないのです。あの日よりも暗い気がします。

 私は、いつも謝ってばかりです。他人に、物に、彼女に、過去に。
 もっと上手にできなくてごめんなさい。こんな未来にしかたどり着けなくて、ごめんなさい。


 その未来にはたどり着けたのかは分からないままなのですが、私は彼女と未だに繋がっていて、未だに一緒に呼吸しているように見えるのです。


 今は会えなくなってしまったけれど、あの人達は違う道を歩けていますか。私はこのまま歩いていていいですか。


 答えは返ってこないけれど、私はあの日と同じように祈り続けているだけなのです。きっと今の私を見ても、彼女は、あの日の私は祈るのをやめないでしょうから。



彼女が祈り続けた未来で
こんな現実ならば不適合者でいいと笑っていてほしい