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77*

 

 階段を駆け上がる。目の前の扉を開ける。外は真っ白な光。


 ここも違う。


 扉を閉めて階段を駆け上がる。たどり着いた扉を開ける。また真っ白な光。また階段を駆け上がる。


 ここも違う。膝が笑っているが、それでも階段を駆け上がる。


 それから何十回扉を開けただろう。最後に見た真っ白な光の前についに膝をつく。もう諦めよう。完全に自分は運命に敗北した。

 息を整えながらふと白い光の中へ手を伸ばす。
 体温と温度差はなく、真綿のような牛乳のような感触。手を触れてかき混ぜると、だんだん様相が変わってきた。



 ああ、このために自分は走っていたのだ。



 変わっていく景色を見ながら、新たな世界へ呼吸を送った。



たどりついた先で
世界は新しく創ればいいだけだった