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14*

 
「好き!」

「はっ?」


 私は男友達兼幼馴染をまじまじと見つめ返した。


「つい最近ふられたばっかりじゃなかったっけ?」

「あれは気の迷いだったんだ」

「そんな風には見えなかったけれど」


 私はため息をつきつつ、とうとう自分にも順番が回ってきたのだとあきらめた。



 目の前にいる男は、いくら失恋しても恋愛することをあきらめない。軽いと言えばそこまでだけれど、本人はふられてからしか別の人を好きにならない。


 つまり、ふられるまでは本気ってこと。


 そこがずっと片思いしていた相手に告白できなかった理由で、その相手から告白されても喜べない理由。



「本気なんだ」


 昨日まで友達だったはずの私に、その男は平然と言ってのけた。ついでに目をキラキラさせて。


「条件があるの」


 私はその目に負けて口を開いた。


「私にふられても、誰も好きにならなかったら付き合ってあげる」

「……俺のこと好きじゃないならはっきりふってよ」


 捨てられた子犬に似た表情に負けて私は口を開いた。



「好きだから待ってるの」



私たちの恋愛事情
私たちなりの純粋と一途






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