01 友達に戻るなんて約束をしてから、1カ月が経った。 別れを言いだしたのは彼女の方だったが、僕は彼女を悲しませたくなくて、何も言えないままうなずいてしまった。 それから何も言えないまま、つき合っていた時よく来ていた公園で、つき合っていた時と何も変わらないように話している。 ただ1つ、不自然な距離が僕らの間にある。 僕は彼女を傷つけてしまうのが怖くて、できることならしばらく会いたくなかったけれど……。 今の恋愛が上手くいかないのか、僕にまだ未練があるのか、それともただ甘えているだけなのか、けっこう頻繁に彼女から会いたいと言われる。 次の恋なんて考えられない彼女に未練のある僕は、それに甘えていつも会ってしまう。 だけれど、いつもこの不自然な距離がある。 彼女が楽ならそれでいいのだが……。 僕は会う度彼女を余計悲しませているのではないかと不安になる。 彼女の笑顔をじっと見つめてみたが、それだけでは何も分からなかった。 「……測ってみようか」 「えっ?」 突然の言葉に、彼女は目を丸くした。僕はそんな彼女を無視してカバンから定規を取りだした。 僕と君の差35cm この先どんな関係になったとしても、この距離が縮むことを願うよ |