同じ歩幅で歩くことが私のすべてだった。 友達と話を合わせるために好きでもないアニメや流行のファッションを調べ、愛想笑いに見えないように気をつけながら笑う。 友達の意見に否定はしないし、よくわからなければ笑ってごまかすか流す。 気遣いながら歩幅を合わせる。速さも足のつく瞬間も全て完璧に。 そうすれば全てがうまくいくと思っていた。 確かに何事もなく日常は回っていた。虚しさをいつも背負わされていたけれど。 気づいたときには『若い』といわれる時期は終わっていた。 今一番近くにいる人は、私の歩幅なんかに合わせない。 行き過ぎてしまったら振り返ってくれる。 目新しいものも目立ったものもないけれど、それが私のすべてとなった。 |