数える気さえないけれどまたお馴染みのコースを走っていた。空はすっかりバタフライピーティー色。それでも最後の一回と走り続ける。どうしても、最後の大会前の最後の練習で自己ベストを出したかった。 ゴールで左手に持っているタイマーを止める。 今回もやはり届かない。またスタート地点へ戻る。心残りは今日に置いていきたかった。 さすがに空がアゲハ蝶色になったから帰り道を歩き出す。最後と考えたくなくて限界まで走っていたのかもしれない。 それでも、この最後はこれ一回きりで今日も一度だけ。 今日の私はやりきれたから、最後はきっと楽しく走れる。大丈夫だ。 星は家路まで続いていた。 |