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また会おう


 後輩に最後に会う日におくる言葉を探していた。

 文面では連絡はとれるだろうし、数カ月先には会えるとは思うけれど、その頃には私は今とは違う私だと断言できた。どこがとはいえないが、確実に今の私はいないのだ。


 後輩はとてもいい人だった。誰にでも優しくて、どんなに不運でも笑っていた。ただ1つ年上の私にも尊敬できるところばかりだった。手紙にしようとも思ったけれど、手紙でも口下手で何も書けず、贈り物も準備できなかった。そんな私の様子を見て、後輩はやはり笑っていた。


「大丈夫、また会えますよ」


 私にとってはそんな単純な話ではないというのに。どんなに考えてもたった5文字の言葉しか言えなくて、私は今日この場所を卒業する。