サンフラワー

「うずくまって何やってんだよ、イヴァン」

ギルベルトがイヴァンの後ろからひょっこり現れた。

イヴァンの手のひらには種がいくつかある。

それに気づいたギルベルトはイヴァンから種を奪いとった。

「あ…」

ひどい、せっかくもらったのに。

そんな思いでギルベルトを恨めしげにじっと見つめた。

「イヴァンの住んでる場所じゃ、寒くてこの花咲かねーだろ。俺様があったかいとこに持っていってやるぜ!」

ぐしぐし、とギルベルトはイヴァンの頭を撫でる。

そうしたところでようやくイヴァンの涙目に気付いた。

「あ…なんか悪かったな突然奪っちまって。別にそんなつもりじゃ」

「うん、もうわかってる」

「なんだ、じゃあ泣くなよ」

イヴァンのまぶたを撫でると雫がまたポタリと落ちた。

そうしてそれがどんどん増えて床には小さな水溜まりができる。

「ちょ、イヴァン」

「ううん、違うよギルベルトくん。今は嬉しくて泣いてるんだ」

そういってにっこり笑ったイヴァンはさっきとはうってかわって晴れ
やかな表情で。

ギルベルトは一安心したのだった。


[ 1/27 ]

[*prev] [next#]

[しおりを挟む]

戻る







「#学園」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -