観用少女パロ

ぱちり、と翠色の瞳と視線があった。店内に入った時にはどの人形も眠り目ばかりのようだった気がしたというのに。

「これはお客様、お目が高い。彼は少し特殊なのですよ」

「特殊、といいますと」

「本来はミルクを飲ませ砂糖菓子を与えて育てる、と先ほどご説明いたしましたが……彼は紅茶に混ぜないと口に運ぼうとしないのです。ミルクが主な栄養源ですのでそうやって与えてあげないと枯れてしまいます」

手がかかるぶん、愛着もわきますよ。なんて店主の営業トークにうっかりのってしまうくらい、今日の私はなんだか浮足立っていた。

ローンの分割払いで即決し、こうして家に連れて帰ってしまったのだから。

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