向日葵

たった今渡されたものが信じられないといった様子で。

まるいそれを受け取り、光にかざしたりいろいろな方向から眺めている。

頬は紅潮していて、彼が喜んでいるのがはっきりと伝わってきた。

「こっ、これどーしたんだよ、すっげー綺麗だな!Danke!」

ぎゅっと手を握られる。

興奮で体温があがっているようで、ギルベルトの手から熱が伝わった。

喜んでもらえたならよかった。

すごく嬉しい。

ずっと彼には秘密にしていて、お金を貯めてやっと買えたものだ。

「これ、お前のもあるのか」

問われ、コクリと頷く。

手袋をとって見せると、少し嫌そうな顔をされた。

あれ、なんでだろう。

「二人で同じもの身に付けてたら怪しまれるだろ」

「もうみんなにバレてるよ?」

「…っ、一般人にだ」

悔しそうに睨み付けられる。

お前のせいだからな、とでも言いたげだ。

バラしたのはギルベルトくんなのにね。

「ねぇ、つけてみて」

ムッとした表情のまま、それでも素直につけてくれる。

ガーネットと琥珀が埋め込まれたシンプルなデザインだ。

手をとって、リングに口づける。

「なに、すんだよ」

「儀式、みたいなものかなぁ」

ふふ、と笑って口を離す。

「逃げないで、ずっと側にいて僕だけを見ていてくれますか?」

少し気取って、言ってみた。

彼には逃げられたことがある、その時はすごく辛かった。

彼の希望通り、手放す決断をする他はなかった。

もうあんな思いはしたくない。

じっと見つめれば、彼も見つめ返してくれて。

気恥ずかしいけれど、心地好い空気。

「ずっとお前の側にいてやるよ、他なんて目にはいらないくらい」

そういって笑ってくれた、そんな君が大好きです。













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