ハイアスンス

やるよ、と言って渡されたものは押し花の栞だった。

綺麗な花びらがいくつか規則的に並んでいる。

「これ、ギルベルトくんが?」

こくりと頷いて肯定すると、イヴァンが嬉しそうに抱きついてきた。

「спасибо!」

抱きつかれたギルベルトは照れくさいような嬉しいような中間の表情でイヴァンの背中に腕をまわす。

「今日、何も言わないからプレゼントなんか用意してないと思ってたよ」

「忘れるわけねぇだろ、こんな大事な日を」

胸が締め付けられる。

ああ、なんて愛しいんだろうか。

僕の期待を裏切らないでいてくれる僕の大切な人。

何もないんだとガッカリしていたぶん、余計に心が浮き上がってくるのだった。




[ 11/27 ]

[*prev] [next#]

[しおりを挟む]

戻る







「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -