最近よく夢を見る。ハマってしまった黒バスを読み耽って寝た日によく見る夢は、リアルすぎて楽しくて、私は夢を見るのが楽しみになっていた。毎晩読み耽っては、手に漫画を握りしめ、私は目を閉じる。今日もあの場に行けますようにと祈りながら。


***


「…さん、……如月さん、起きてください」
『んん?』
「はやく起きろっつの」
『おはよー…どうかした?』
「先輩に呼び出されましたよね。覚えてますか?」
『記憶にない。二人も?』
「バスケ部全員だよ」
『ですよねー』

そう言って立ち上がると、二人は私を誘導するように先を歩く。呼び出されたのは屋上で、何でも幻のパンが食べたいとか。料金を渡された一年が、またかよ…と溢すのを見るとどうやら一回以上はやっているようで、つまりは漫画でやっていた無いようじゃない。

リコちゃんが私も行こうとしたのを引き留めて、それでしばらく二年生の先輩方に混じってお話をしていた。十五分経ってようやく一年生男子諸君も合流。幻のパンは奇跡的に人数分ある。

「みなとちゃんは食べるの初めてよね?」
『あ、はい』
「美味しいですよ、このパン」
『黒子がおすすめするなら間違いないね』

いただきます、と言って食べる。その間ずっとみんなの視線が集まっていて少し恥ずかしかった。高いだけはあるなあ、と一言だけ呟いて笑うと、みんなも笑って食べ始める。


最近よく夢を見る。その夢は一話完結。関連性なんて何もない。そして私は、そんな夢の中昼をずっと過ごしてる。季節もバラバラ。共通と言ったらバスケ部に私が関与してるだけ。それと、みんなとそれなりの仲ってだけで、他は全く、私の行ってる学校と大差ない。そう、普通に都合の良い夢ってだけ。


そうしてまた私は朝を迎えるのだ。


さあ長い夢の始まり始まり

END

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