おしるこ星人の御守り役に恋したは良いけどあまりにおしるこ星人を大事にするからまあ付き合っている訳じゃないけど腹が立つのは仕方がない。男相手に嫉妬とか醜すぎて笑えない。

『緑間はいいなあ』
「急に何なのだよ」
『えー?成績優秀眉目秀麗人脈無いけどそれなりに連む人はいい人ばかりで運動出来て…』
「……」
『そんで周りに気にかけて貰えてる』

机に突っ伏してぶーぶー言う私を煩わしそうに見ていた緑間は、最後の私の一言で完全に呆れていた。まあ発言だけ見てれば唯の構ってちゃんだから仕方もないけどその顔は気に入らない。またさらにぶーぶーと批難の声を上げると鼻と口を塞がれて窒息仕掛けた。緑間許さん。

『緑間ってそういう堪え性の無さが駄目なんだと思うんだ!もうちょっと我慢強かったら仲良くなれる人たくさんいるのにさ!』
「俺は別にキレやすい訳ではないのだよ。そしてこれはお前にだけしかしない」
『そんなプレミア要らない』
「心配するな、無料なのだよ」
『…緑間ってそんな冗談言う人だっけ?』

プッと軽く笑えば緑間は視線を逸らしてお前が落ち込んで居るからだろう、と呟いた。手が忙しなく眼鏡のズレを直していたり顔が赤かったりはまあ見逃してやろう。緑間はこういう時優しいから、落ち込んだ時に慰めて貰う人と私は決めてる。ニヤニヤしながらありがとうとか言っても緑間は何がなのだよ!と言うから素直じゃないけどね。


「真ちゃんおまたー」
「高尾、遅いのだよ」
「いやー自販機混んでてさ。はい、おしるこなのだよ〜」
「真似をするな」
『私もおしるこなのだよ〜』
「まいはミルクティーなのだよ」
「真似を…」
『やったーミルクティーだー』
ふてくされてる緑間を余所に受け取って早速缶を開ける。高尾は炭酸のジュース。新作なのか見たことのない上に英語が苦手な私じゃ読めない。うーん気になるなあとずっと見てたら飲みてーの?と聞かれた。正直ちょっと飲んでみたい。

『飲みたいけどなー、うーん』
「何々なんかダメなの」
『どーしよっか…ねえ緑間どうすればいいかな』
「飲めば良いのだよ」
『うーんそっかー…』

こいつら完全に私が女だって忘れてるだろ。まあお言葉に甘えて普通に飲んでみた、けど甘ったるい。ちょっと喉に辛いかなぁ。

「美味い?」
『甘い』
「へー?」

口直しにミルクティーをガブガブ飲んで、変な甘さを掻き消す。そんなことより私は口をつけた缶が心配なんだけど。高尾をじっと見つめると、高尾もじっと缶を見つめていて、何かあったのか見つめていたら高尾があーと声を出した。

「俺甘いの無理」
『あ、そーなんだ?』
「真ちゃんいる?」
『要らないのだよ』
「そっか、じゃー捨ててくるわ」
『勿体なー』
「じゃあ飲む?」
『遠慮いたします』

中身を捨てに行った高尾。離れた瞬間に私はまた机に突っ伏す。高尾もしかして私と間接は無理ってなったのかなとかぐるぐる考えてると、緑間はため息を吐いた。

「これだから高尾は進歩しないのだよ」
『んー?』
「……」
『何が進歩しないのだよー?』
「手を出したいのにどう手を付けて良いのかわからないから、そのままずっと放置しているのだよ」
『?お菓子の話?』
「……これだからお前も進歩がないのだよ」


変なとこだけテレパシー

ヘタレと鈍いのは一緒なのにね。

END



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