アイツの笑顔を見ると、実感する。


焦がれる季節


ジリジリとした陽射しを待ちわびてアイツは今日も空を見上げて見つめる。まだ六月上旬の今にも関わらず、ずっとずっと待ちわびる。天気予報士がまだ停滞前線について熱く語り出す前から待っているものだから、それはもう習慣なんだと思った。

「何でそんな夏が好きなんだよ」

しかもてりってりに陽射しの出るクソ暑い日を一番好む。

『わからない?今までずっと一緒に居るのに』

「わかんねぇな。俺、お前の事でわかるの、好きな食いもんぐらいだぜ」

『食べるの好きだよね、大我って』

「まあな」


呆れられてることなんてわかりきってる。それでも知りたい。何で夏をそんなに待ち遠しく見詰めるのか。その理由を。

だってお前は昔から


『私が興味を持つなんて、大我以外のことじゃ有り得ないのよ?』

「……なんだ、そりゃ」


うそだ、自負してた。だってお前は俺のことだけをずっとまっすぐ見据えてる。いつもいつも、その歪みない瞳で。


『良いこと教えてあげる。耳、貸してよ』

「何だよ…」

『いいから、はやく』


顔を寄せてやると耳に手を当ててこっそりと話すこいつは、本当に俺のことを良く知っている。

『大我が一番輝く時期でしょう?』


ほんと、敵わねぇ。


END

***

バスケのシーズンって何時なんでしょうか…
詳しくないですが私的には火神は汗かいてなんぼだと思ってます



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