どうしてかアイツは
『青峰くん、目が痛い』
「知らねぇよ」
俺に甘えてくる
突き放すと
『……痛い』
「だから、」
『痛い』
「……」
粘る
仕方なく手招きしてやって傍に座らせる
「目見てやるから、どっちの目だよ」
『みぎめ』
「軽く目ぇ閉じてろ」
『はい』
構ってやるとやけに素直になって大人しくなる。
指で目蓋を広げて眼球を見ると、キレーな目が出てきた。もうちょっと良く見ると、睫毛が入ってた
「睫毛入ってるぜ」
『えっ、取って』
「取れって…」
指でか?と聞いたらうんとか普通に頷くところは女じゃねぇなってつくづく思う。身体とか顔とか、すげぇ良いのになんで性格だけこんながさつなんだろうな。
とりあえず指で取ろうとして諦めた。絶対目潰しちまう。
「目薬自分で注しとけよ」
『…むり』
「は?」
『目薬こわいむり』
「……」
『お願い』
そんな一言だけで伝えてしまうのが憎いうえにエロいからムカつく。目薬を探してから俺に手渡して、そのまま膝に頭を乗せてくる。上を向いて緩く目を閉じてる顔は悔しいけどキレイだった。
「…おい」
『んー』
「何でんな固く目ぇ閉じてんだよ!開けろこら」
『ムリムリ』
「殴るぞ」
『……』
緩く右目だけを開けたまいが恨めしそうに睨む。完全に可愛いだけなんだけどやれって言ったのはまいのくせにすごく生意気だな。
指を目蓋に宛がい目薬の容器を押す。当然押し出された滴は眼球に直撃して、まいが小さな悲鳴を上げた。そのまま瞬きをして、目薬の液が落ちていった顔がすげぇエロい。そそられる。
「まいって何やってもエロいよな」
『エロ峰のアホ峰。最低』
「睫毛取ってやったやつに向かって…」
『取ってくれたのは目薬だもん』
「いい加減にしろよ」
『ずっとエロい目で見てたくせに』
うわ、バレてたのか?と押し黙るとあれ?図星だった?とかイタズラが成功したガキみたいに喜ぶ辺りが可愛げないと思う。
今日もわがままな女に付き合わされてばっかりだ。
甘えたな彼女
END