※捏造があります。苦手な方はback


あんなたくさんな日々があって、私の上がり症は少しずつ治っていった。
それもこれもみんな、みんな彼のおかげなのだと、心から思う。
それでも、彼にそう伝えると、照れて俺もお前に感謝してる、と言ってくれるからお互い様なのだそうだ。

さあ私たちは今どうしているのかと言うと、実はアメリカに居ます。
本当は私だけ日本に住む予定だったのに、無理やり彼に引っ張って来られて…
今彼は本場でプロバスケをして、活躍しています。
毎日が楽しくて、たまにバテてしまってチームメートに送ってもらうことまで。
でも、それだけ熱中する彼が私は好きだから、どうしようもない家族です。


「ただいまー」
『あ、おかえりなさい』
「おー、風呂入ってくるかな」
『ちゃんと沸かしてありますよ』
「あ!?またお前働いたのかよ!」
『じっとしてると落ち着かなくて…太っちゃうし』
「良いんだよ、もっと肥えろ」
『嫌ですよ…』

今日もやっかなー、と彼が私を後ろから抱えて、少し膨らんだお腹を撫でる。
私はもうすぐ一児の母になります。
胎動もまだないお腹を撫でるのが、彼の日課になっていた。


「なあ、まい」
『何ですか?大輝さん』
「はやく産まれねえかな」
『きっとすぐですよ、産まれるのも。高校もあっという間でしたし』
「そうだな。じゃ、産まれたらもう一人かなー」
『…気がはやいですよ』
「男の次は女って決めてんだ」
『まだ男の子かもわからないです』
「何となくわかる」

大輝さんはそう言って、左手に光る指輪にキスをした。大輝さんはバスケをしてるから、シンプルなリングを首にかけている。

私たちの青春時代は終わってしまって、もう年老いていくだけ。それでも、こんなに幸せな未来ばかりなら、私はこれからも大輝さんに寄り添って、一緒に年老いて生きたい。それが、大輝さんも一緒なら、なんて…欲張りすぎなのかも知れないけど、きっと大輝さんも同じ気持ちだから、私は今日も幸せです。


貴方のくれる日々

輝いて見える日々が、いつまでもいつまでも続いて、それが受け継がれていくことを、私はどこかで知っている。


END


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