博多モミジ の 真実 物心つく前に父親を亡くし、母子家庭で育ったモミジ。 そんなモミジは、怒りや悲しみというマイナスの感情を理解することが出来ない、少し変わった少女だった。 しかし母親はモミジの変わった部分も受け入れ、家族二人で幸せな日々を過ごしていた。 まだ中学生だった頃、親戚の葬儀に参列した。 周囲が親戚の死に悲しむ中、"悲しみ"を理解出来ないモミジは思わず笑顔で聞いてしまう。 何で泣いてるの? 凍り付く空気。 憤慨する参列者。 謝り倒す母親。 騒然となった場で、モミジだけが不思議そうに首を傾げていた。 それから、何件も精神病院に行かされた。 だが、一向にモミジが怒りや悲しみを理解する様子は見られなかった。 そしてとうとう、母親は言い放つ。 ーーあなたは、異常よ。 モミジは初めて自分が異常だということを知る。 それでもなぜ母親がこんなに苦しんでいるのか、まったく理解が出来なかった。 同時に、モミジは初めて自分から"理解したい"と強く思う。 そのためには、たくさんの感情に触れることが重要だ。 そうだ、不特定多数が集うあの場所なら。 こうして、モミジはオンラインゲームの世界へ足を踏み入れることになる。 |