長沼エイジ の 真実

昔から女性に告白される経験が多かったエイジ。
しかし、一つの例外もなく全ての告白を断っていた。

まだ高校生だった頃、エイジには親友と呼べるほど仲の良い男友達がいた。
数多もの女子生徒に告白されても、何も感じない。
そんな自分の心に疑問を持ちながらも、親友と過ごす時間をとても大切に思っていた。
エイジは親友のことが大好きだった。

ある日、親友がついに彼女が出来たとエイジに報告する。

おめでとう。

口ではそう言いながらも、エイジの心は多大なショックを受けていた。
理由は何なのか、数日の間悩みに悩んだ末、やがて自分でも理解しがたい結論に至る。
自分は恋愛対象として"男性が好き"なのだと。
そして、ずっと親友に想いを向けていたのだと。
でも、親友にはもう恋人がいる。
親友の幸せを邪魔するわけにはいかない、だからせめてこの気持ちだけは伝えたい。
エイジはありのままの気持ちを親友にぶつける。
全てを聞き終わった後、親友はたった一言。

ーー気持ち悪い。

吐き捨てるように告げると、エイジの前から逃げるように立ち去った。
以降、エイジと親友が言葉を交わすことは二度と無かった。

高校を卒業した後も、エイジは男性に恋をした。
だが、その度にあの日の"気持ち悪い"という言葉が頭に付き纏う。
いつしか、エイジは考え始める。
自分が親友の彼女のような、可愛らしい"女の子"だったら。
気が付けば、エイジは女性の振りをしてSNSを始めていた。

クルミだよぉ!えへへ、初めましてぇ♪




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