キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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恋の受験戦争


閉幕


よくわからないけど工藤くん…新一くんは納得?した?ようで、本日は無事解散になったわけだけど。


ピリリリリ


もう1つの難関が私に襲いかかろうとしていた…。


「は、はい、」
「あおいちゃん、今大丈夫?」


通話ボタンを押して聞こえた快斗くんの声はいつも通りの快斗くんで。
…なんだ!私の気にしすぎだった!って思ったのも束の間、


「それで今日いた奴、誰?」


いきなり本題に入られてしまった…。


「か、彼はですね、工藤新一くんと言って、近所に住んでるクラスメートで、」
「あおいちゃん」
「う、うん?」
「そういうこと聞いてない」
「あ、うん…」


あっれ?声色はいつも通りなのにやっぱり怒ってるの!?
そう思うと、快斗くんがどう思うかわからないけど、やっぱり思ってること言っておこう、って思った。


「新一くんは、」
「え?」
「え?…なに?」
「……いや、続けて」
「う、うん…。新一くんは、私が米花町に来た日に出逢った人で、」


快斗くんは私の話しを、適度に相槌を打ちながら聞いていた。
新一くんが私にしてくれたこと。
今もしてくれること。
それはもう、私の中で家族っていう括りに入ってる、って言うことも伝えた。


「家族、ね」
「そ、そうなの!だから保護者って言い方して、」


納得したのかしてないのかわからないトーンで話す快斗くん。
…どうせなら!目の前で話してた方が何を思ってるかとか、表情見れて良かったのに…!!


「それであおいちゃんは、好きなの?ソイツのこと」
「…………………えっ!?」


もう快斗くん今どう思ってるの!?なんて思っていたら、とんでもない質問が飛んできた。


「え?いや、だから今私、家族って、」
「うん。それは聞いた。でも本当に家族なわけじゃねぇじゃん。好きなの?ソイツのこと、男として」


あ、快斗くん怒ってる。
声のトーンも口調も変わらないけど、はっきりとそう思った。


「ちっ!違うよっ!?そりゃあ良くしてくれるし、友達としては好きだけど、別にそういう意味で好きなんてこと絶対ないから!」
「あおいちゃん」
「なに!?」
「この世に絶対なんて言葉、それこそ絶対にないんだぜ?」


口調は怒ってない。
いつもの快斗くんだ。
…でもこれならいっそのこと、オメー何言ってんだよくらい言ってもらったほうがスッキリする…!


「ほんとにそんなことないんだって、」


どうしようどうしよう。
どう言えば伝わるのか。
私が新一くんを好き?
それはないって、うちの学校にいたらわかるよ!
だってそもそも私の好きな人は…。


「…まぁ、これ以上アドバンテージやるつもりはねぇからいいけど」


うわぁぁぁ、ってなっていたら、快斗くんがボソッと呟いた。


「え?な、なに言っ」
「俺さー、今年本気で全中優勝目指すわ」


聞き取れなかったことを聞き返そうとしたら、快斗くんががいきなり話題を変えた。


「え?あ、うん…?」
「応援してくれるでしょ?」
「そ、それはもちろん!」
「今年どこだっけ?岐阜だったかな?」
「…いや、わっかんない、けど、」
「一緒に行けるといいね」
「えっ!?いや、うん、まぁ、えっ?」


その後はもう、いつものように実があるようなないような話しを延々としていた。
…快斗くん、納得した…?
んん?怒ってない??
やっぱり電話だとよくわからない。
こういう時、帝丹と江古田の距離を感じちゃうよなー。
なんだかんだと起こった1日は私のため息で幕を閉じた。



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bkm

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