キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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漆黒の特急


小学生からの詰問


「お客様にご連絡致します。先ほど車内で事故が発生したしたため、当列車は予定を変更し、最寄りの駅で停車することを検討中でございます。お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、こちらの指示があるまでご自分の部屋で待機し極力外には出られぬようお願い申し上げます」


車掌さんに事件を伝えたところ、車内放送を流してくれた(あくまで事故ということにしてある)
…これで私は探偵団の子たちと一緒に部屋にいれば大丈夫、な、はず。


「あれ?あなたも乗ってたんですね、安室さん」


蘭の言葉にハッとして顔を上げると、夏祭りの時に会った、ポアロのイケメン店員安室さんがいた。
…なんで?


「食堂車で毛利先生に会いましたよ」
「安室さんて小五郎おじさんと知り合いなんですか?」
「あ、言ってなかったっけ?安室さん、お父さんの弟子になりたいって言ってた探偵さんなの」
「…でし?はっ!?おじさんに弟子!?」


待って、ここでまた探偵増えちゃうの!?
ハッ!
そう言われてこの人よく見たら無駄にイケメンじゃない!?(園子がイケメンて言うくらいのイケメンじゃない!?)
待って待って待って。
うっかり一緒に夏祭り行っちゃったけど(しかもお金出してもらっちゃったけど)もしかしてこの人も何かワケあり組織絡みな人的な!?
ハッ!!
だからあの夏祭りで私たちだけにさせたくなくて、コナンくん一緒に行きたいとか言ったとか!?!?
そうだ、きっとそうに違いない!
これも快斗くんにメール案件じゃん!!!
とにかく私たちは部屋に戻ろうってことで、部屋に戻って早々に快斗くんに安室さんのことをメールした。


「なになに?真剣な顔でメールしてんのよ?アイツに?」
「アイツ、って快斗くんのこと?」
「当たり前でしょ!で?どうなの?相手黒羽くん?」
「ま、まぁ、そうだけど、」


私の言葉に、歩美ちゃんがきゃー!って顔をした。


「あおいお姉さんと快斗お兄さん、どうなったの?歩美気になる!」


目をキラッキラさせて歩美ちゃんが聞いてくる。


「と、友達だよ、友達!」
「他の男よりも仲が良い友達よ!」
「園子!」


ニシシ、と笑う園子。


「あら、だってほんとのことでしょ?あおいの家に遊び行ってんでしょ?黒羽くん」
「…ま、まぁ、そういう言い方するとそうだけど、」
「きゃー!快斗お兄さん、あおいお姉さんの家に遊びに行くの!?」
「違うの。歩美ちゃん、違うの。そういうことじゃないの」
「でもよー、あの兄ちゃんと2人で遊ぶって何するんだ?」


ポロリと零した元太くんの一言。
…怪盗キッドの犯行が上手くいくように話し合ってるんです、なんて言えるわけない私は、


「は、話し合いだよ、話し合い…!」


無難に答えたわけだけど。


「人には言えない話し合いなのよねー!」
「はいはい!やっぱり快斗お兄さんはあおいお姉さんの恋人さんなの?」
「違うの。歩美ちゃん、それは違うの」
「もう実質そんなもんよ!」
「きゃー!!」


違う意味で捉えたくさい園子と、園子の言葉に大興奮の歩美ちゃんに私の言葉はもみ消された感すごい。
私たちがわちゃわちゃと騒いでいたら哀ちゃんがトイレに向かった。


「哀ちゃん大丈夫かな?」
「大丈夫って何が?」
「ん?んー…、いろいろ?」
「はぁ?…まぁ、大丈夫でしょ。あの子しっかりしてるし!」


哀ちゃん今日は風邪引いてるし、何より(私的)怪しさマックス×2がこんな密室空間にいるし、いろいろ心配だ。
快斗くんも、殺人事件なんて起こったしちゃんと怪我なく怪盗のお仕事できるのか心配だ。


「あおいお姉さんて、快斗お兄さんのどこが好きなの?」


なんて心配していたら、歩美ちゃんが可愛く聞いてきた。


「…や、好きってほら、私たちもうお別れしてね、」
「じゃあ快斗お兄さんのこと嫌いになっちゃったの?」
「っ、そー、いう、わけじゃないんだけどさ、」
「じゃあじゃあ、あおいお姉さんはやっぱり快斗お兄さんのこと好きなんだよね?」
「だっ、だから別に私は、」


私が哀ちゃんや快斗くんのことを心配してる間に、園子から何か耳打ちされたらしい歩美ちゃんからの質問攻めにあう羽目になった。


「快斗お兄さん、マジックも上手いしおもしろいし、きっと人気あると思う!」
「そ、れは、たぶんそうだと思うけど、」
「あおいお姉さんがはっきりしないと、快斗お兄さん誰かに盗られちゃうよ?」


さすがにこの言葉はおかしいと思った私は、キッ!と園子を睨んだ。
園子はニヤニヤしながら、小学生に言われてやんのー、なんて言ってる。
隣の蘭はもう苦笑いして園子を止める気なし。
チラッて博士を見たら博士も苦笑いで止める気ゼロみたいだし、光彦くんに至っては歩美ちゃんと同じように目をキラッキラさせて私を見てくる(ちなみに元太くんはお菓子食べてる)


「とっ、られちゃうってさーあ、」
「快斗さんは男の僕から見てもカッコいいですからね!」
「他に快斗お兄さんのこと好きな人いてもおかしくないよ!」
「…や!あのね、ちょっと2人は誤解して」
「快斗さんはあおいさんと学校違うんですよね?だったら快斗さんの同じ学校の人とか怪しいですね」
「快斗お兄さんがクラスにいたら、歩美すっごい楽しいと思う!」
「そういう男にコロッと行っちゃう女いるしねぇ!」


光彦くんの言葉に歩美ちゃんが乗っかり、園子がトドメを指してきた。


「だから!快斗くんとは今はそんなんじゃないの!」


もう!と言った私に、園子はニヤニヤ、歩美ちゃんと光彦くんはやっぱりどこか目をキラッキラさせていた。

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bkm

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