■医務室へGO
「はー…すっげー食ったー…」
食べられそうなものはみんな食べようぜ精神で薦めた結果、レストラン入店から1時間半経った現在、お腹いっぱいすぎて見事にみんな動けなくなっていた。
「元太くんは特に食べ過ぎですよ」
「歩美、もう食べれなーい」
「少し休んでから出ようか?」
少年探偵団のみんなが食べ過ぎて動けなくなってるところに、蘭がいい感じに休憩を提案してくれた。
「そ、そうだね!食べてすぐ動くと気持ち悪くなっちゃうしね!」
みんなも、うんうん頷いてくれたから、もうしばらくここでだらけさせてもらうことにした。
…問題はこの後だ。
約2時間とちょっと、時間は稼げたけど、スーパースネークにこのまま並ぶことになるのかどうか…。
目暮警部がスーパースネークの運行を休止してくれるタイミングに合ってればいいんだけど…。
「じゃあ、ゆっくり歩いてスーパースネークに並ぼっか?」
少しして、みんなもそろそろ出ようって時。
哀ちゃんがチラッと私を見てきた。
わかってる。
でもまだ早い。
だってまだ園子も和葉ちゃんもいないし…!!
なんて思っていたら、
「あおいと蘭じゃない。なんでここにいるの?」
「園子っ!!」
「私たちはお父さんの依頼ついでに探偵団のみんなと遊びに来てるんだけど、園子は?」
「ほら、あそこのレッドキャッスルホテル!あそこの客が今日10万人を突破するからって、今夜パーティをやるのよ。あのホテル、パパが建てたようなもんだから。で、それまでこの遊園地で暇をつぶしてたってわけ!」
いい感じに園子がやって来た。
なんでも午前中に1回ホテルに顔出したけど、後はパーティの時間まで暇なんだとか。
…その午前中の1回のタイミングで快斗くんにまんまとID盗られたんだ…。
さすが快斗くん。
私から詳細を聞き出して本当に無駄なく動いてる。
「あれっ?蘭ちゃん?」
「…和葉ちゃん!え?なんで?…もしかして服部くんもあの依頼人に呼ばれてるの?」
そしてさらにいい感じに和葉ちゃんとも合流できた!
今だっ!!
「哀ちゃん大丈夫!?お腹痛いのっ!?」
突然そう叫んだ私の言葉に、
「…その役、私なの?」
何より本人が1番驚いていた(直後飽きれたような顔された)
「哀ちゃん、大丈夫?」
「医務室連れて行こうか?」
歩美ちゃんと蘭が交互に心配する。
哀ちゃんは小さくため息を吐いた後で覚悟を決めたようで、
「ごめんなさい。ちょっと具合悪いかも…」
小声でそう言った。
「灰原食べ過ぎだぜー。出して来ればいいだろ?」
「元太くん!女の子はデリケートなんだよ!?元太くんと一緒にしちゃダメだって!」
「そうですよ!灰原さんなんですよ!?元太くんみたいに単純じゃないんですっ!!」
私の言葉に光彦くんが乗っかった。
「て、ことだから私たち医務室行くから園子1人でホテル戻って」
「え、えぇー…」
「あ!ほんなら園子ちゃんにアタシがついて」
「一緒に行ってくれる?」
うっかり和葉ちゃんが園子について行きそうになったところで、(たまたま和葉ちゃんの近くにいた)哀ちゃんが和葉ちゃんの右手と蘭の左手をソッと握ってそう言った。
…ものだから、
「…っ、ええよ!ほんならみんなで行こか?」
「そうだね、そうしよう」
和葉ちゃん、哀ちゃんの可愛さにちょっとヤラれてケーキを諦めてくれた。
「て、わけだから、園子またね!」
「ハイハイ、ガキの面倒ご苦労様ぁ」
ちぇーって感じで呟きながら、園子と別れ医務室に向かった。
しかもうんこしたら治るくらいなこと言ってた元太くんが哀ちゃんをおんぶした。
…優しい!元太くん、優しい!!
「ほんなら蘭ちゃんとこのおっちゃんも、」
「そうなの。お父さんとコナンくん、2人で残って依頼人の話聞いててたから、今頃服部くんと合流して捜査してるかもね」
蘭と和葉ちゃんがそんな会話をしていた。
…ええー、っと、この後目暮警部たちが来てスーパースネークは止めてくれるから、じっと待っていられない元太くんたちが医務室飛び出してひったくりを捕まえに行って
「何ブツブツ言ってるの?」
「あ、ううん!哀ちゃん大丈夫かな、って」
「そうだね、とりあえず医務室で休ませてもらおう」
「みんなも遊びたいかもだけど、哀ちゃんについて行ってあげようね」
「当たり前だよ!」
「もちろんです」
「灰原が治ったらスーパースネークだからな」
私の言葉に探偵団のみんなも頷いた。
その姿を見た哀ちゃんが、ホッとしたような顔をしたのが見えた。
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bkm