キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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帝丹中学修学旅行in沖縄


乙女の悩み


「ふぁああ…ねむ…」


翌朝、起床の館内放送の元、眠い目を擦って目を覚ました私たち。
ちなみに大あくびしたのは園子。
1番先に寝たくせに…!


「あ、あのさ、」


身だしなみも整えて、さぁ朝食へ行こうって時、蘭と園子を呼び止めた。


「き、昨日の話、…工藤くんには、内緒、ね…」


私の言葉に、園子と蘭は一瞬顔を見合わせた。


「わーかってる、って!昨日も言ったでしょ?私らはあおいの味方、って!3人だけの秘密ってことで、黙っててやるわよ!」
「私も、私から新一には言わないから安心して」


ニシシと笑う園子に対して、蘭は困ったように笑った。
…「私からは言わない」ってことは、蘭はきっと、私の口から工藤くんに快斗くんの話をしろって言ってるんだと思う。
…いやいやいや、でもそれは例えば仮に快斗くんと、お、おつきあい?しちゃったりなんかした場合はそりゃあ工藤くんにはお世話になってるし?私の口から話そうと思うし、話さないといけないと思うけど、そもそも私と快斗くんそりゃ毎日連絡してるけど、今は友達成り立てなわけで、そんな状況の人どう話せっていうの?
私江古田のすっごいカッコいい人と友達になった!って言えばいいの?
そんなのいちいち友達報告しなくない?
そもそも工藤くんて私が「黒羽くん」て言ってただけで怒った人…あ、今ちょっと思い出しちゃったけど、あれはノーカンだから忘れなきゃ忘れなきゃ


「あおい、行くよー?」
「あ、うん!今行くー!」


蘭に促されて朝食場に向かった。


「オメー、それ買うのか?」


美ら海水族館に行った時、すっごく綺麗だしここでお土産買おうかと思った私は、買う直前に奇跡的に快斗くんが魚嫌いなことを思い出した。
どれくらい嫌いなのか…ちゃんと確かめてないからわからないけど、原作で嫌いと書かれていた物は一応避けた方がいいかと思ってそこではお土産を買わずに、次の民俗村でお土産をえらんでいた。
民俗村って言うだけあって、有名な沖縄のお菓子が並んでる。
無難にサータアンダギーか、ちんすこうかなと思って見ていた私のところに工藤くんが来た。


「う、うん。どっちにしようかと思って、」
「なんか意外」
「え?」
「オメーのことだからさっきの美ら海水族館で『可愛いー!』とか言って魚の何か買うかと思ってたんだけど。それ自分用か?」


ぎっくーーーん


え、探偵怖い。
なんで今のこの一瞬でそこ怪しむの…?
え!?普通こういう買い方すると怪しむものなの!?!?


「こっ、これは違くて、」
「何?誰かにやんの?」
「そ、そうそうっ!ほら、博士とか?」
「あーーー…」


工藤くんは確かになぁ、って頭を掻いた。
…博士の存在こんなところでも役に立った!
ありがとう、博士!!


「じゃあ俺たちからってことで俺も金出すから適当に買っといてくれるか?」
「え、そこは工藤くんも自分で選びなよ…」
「いや何個もいらねぇだろ?」
「はっ?沖縄のお土産だよ?滅多に来れない場所のお土産だよ?何個貰ったって嬉しいでしょ!?私は嬉しいよ!?」
「あー、わかったわかった。じゃあ俺がこっち買うからオメーがソレ買って」


そう言って工藤くんは高い方の箱をサッと持ってレジの方へと消えていった。
…てことで、博士のは決まったけど…。
快斗くん…どうしよう…。
ハワイの時は快斗くんがマカダミアナッツ食べたい!って指定してくれたから良かったんだけど…。
甘いのがいいよね?
でも星の砂とかもちょっと可愛いんだよね。
あ、けど子供っぽいとか思われるかな?
え?じゃあシーサー?
でもシーサーを男子中学生のお土産に選ばなくない?
え?じゃあなに?
そもそも食べ物がいいの?
それとも飾るものがいいの?
……だめだ、選べない。


「あおいあんたその荷物どーしたの」
「どれも良さそうで選べないから厳選して買えるだけ買ったの」


快斗くんにどのお土産がいいのか決めかねた私は、帰りの荷物がクラス1大荷物になるほどお土産を買い込んで帰路へ着いた。


to:黒羽快斗
sub:沖縄のお土産
本文:食べ物、飾り物、甘いの、しょっぱいの、ウケ狙い、可愛い系、ご飯のおつまみ系どれがいいですか?


そして帰宅後快斗くんにメールしたらすぐ電話がかかってきた。


「はーい?」
「まだ沖縄いるの?」
「え?もう帰ってきたよ?」
「じゃあ何さっきのメール!買う前に聞く奴じゃね!?」
「え、だ、って、」
「うん?」
「快斗くんどういうのが良いかわからなかったから、とりあえずメールで送った奴全部買ってきたのね、」
「ぶふっ!」


私の言葉に快斗くんは爆笑した。


「わかった、とりあえず現物見せてもらう、ってことでい?」
「あ、うん。それで決めてもらうのがいいかも」
「オーケーオーケー。じゃあ週末の、」


そしてその週の週末も、快斗くんと会う約束をして修学旅行は無事終了した。

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