キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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怪盗キッドの驚異空中歩行


ブルーワンダー


次郎吉さんに誘われて、お家にお邪魔させてもらった私たち。
そこにはズラーーーッと、賞状やトロフィーなんかが並んでいた(雑誌の切り抜きなんかも飾られてる)


「す、すごいんだね…」
「だから有名人なんだ、って!蘭見たことない?よくネットニュースになったり、新聞にだって載ってる有名人だよ!」
「…あおいって、」
「うん?」
「キッドのニュースが出始めた時は知らなかったのに、なんで次郎吉さんのことは知ってるの?」
「えっ!?………そ、それはほら、頻繁にニュースになる人だからだよ」


そのトロフィーの多さに圧倒されてる蘭に、次郎吉さんがどれだけすごい人か話したら、ちょっと疑いの目を向けられてしまった。
…第一、キッドの時は快斗くんの誕生日プレゼントに荒ぶってたからで…。


「あら?こんな像、前からあったっけ?」


私が特に言うわけでもない言い訳を心の中で思っていた時、園子が声をあげた。


「ああ、それはその昔、海賊どもが暴れ回った大航海時代の不沈船シーゴッデス号が船首に飾りつけていたという黄金の女神像じゃ」


出た!!
ブルーワンダー!!


「人魚の涙が宝石に変化し、海難を防ぐ力を秘めると伝わる伝説のアクアマリン。その名も大海の奇跡・ブルーワンダー」
「ほんとに海の色だ…」


私の言葉に蘭が、


「アクアマリンて、海の水って意味の名前なんだって」
「蘭、詳しいね」
「ブラックスターのことがあった後で、ちょっと石言葉とか調べちゃったんだ。あおいは知ってる?アクアマリンの石言葉」
「これはエサじゃ!きゃつを釣るためのな!」


蘭の言葉に被さるように、次郎吉さんは、鼻息荒く言う。


「この世に生を受けて72年。この次郎吉、狙った獲物を逃がしたことはなかった。そう。望んだ賞は全て手に入れ、願った夢は皆叶えてきたが…」


キッ!と、次郎吉さんはどこかを睨みつけるように見る。


「あったんじゃよ。この世で唯一、掌握できないものが。その者はいかなる厳重な警備も、堅牢な金庫も魔法のように突破し、悠然と夜空に翼を広げて消え失せる白き罪人」
「ち、ちょっと、」
「それ、ってまさか」
「そう。その名は…、」
「怪盗キッド!!ですねっ!?」


私の言葉に、


「マジで!?ちょっ、おじ様、エサってことは呼ぶの!?キッド様を!?ほんとにっ!?!?」


園子はまんまと胸踊らせた。


「どこかの博物館に展示して、狙われるのを待つってことですか?」


園子と対象的、蘭は冷静に次郎吉さんに尋ねた。


「まさか!ワシはそんな気が長い方じゃないんでな。きゃつがどんな輩か知らんが、新聞くらいは目を通すじゃろうて」
「新聞?新聞がなに…?」
「呼びつけるんじゃよ!このワシ、鈴木次郎吉のおる場所にな!」
「さすが次郎吉さん!キッドを呼びつけられるような人、他にいないと思います!」
「そうじゃろう、そうじゃろう。アッアッアッ!!」


今まで読んだ原作を思い返しても、大々的にキッドを呼びつける人、この世に1人しかいなかったしっ!!(他は勝手にキッドを名乗って犯行予告出したりとかだった!)


「あおいって、乗せ上手よね…」
「わかる…。うちのお父さんも、あおいが言うとすぐ調子に乗るのよ…」
「あれひょっとして、アゲマンてやつ?」
「そうなのかも…」


園子と蘭が若干引き気味で私(たち)を見ているなんて知る由もない私は、


「じゃあ、こう、バーン!と、キッドの予告状みたいな感じで載せるんですか?」
「まぁ、きゃつの予告状と言うより、ワシからの挑戦状じゃな」
「挑戦状、いいですね!」
「そうじゃろう、そうじゃろう。どうせ出すならこう…見開きを使ってデカデカと、『怪盗キッドに告ぐ』と書けば、きゃつの目にも触れるじゃろうて」
「間違いない!」
「金に糸目はつけん!!」
「カッコいい!私もそれ言ってみたいっ!」
「アッアッアッ!!!」


いかに快斗くんの目に触れるように告知してもらうか、次郎吉さんとお話していた(ほとんど決まってることの確認、みたいなものだったけど)
間違いなく、次郎吉さんは新聞の見開きを使って快斗くん、キッドに挑戦状を出すことになる。
快斗くんは新一くん同様に、新聞(ニュース)チェック魔だから絶対目にすると思うし、例えうっかり新聞読みそびれたとしても、園子のおじさんが、っていう話の切り出しなら不自然じゃないはず…!
驚異の空中歩行、絶対に現地観戦するんだから!と、vs怪盗キッドに燃える次郎吉さんと一緒にヒートアップしていった。

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bkm

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