キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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帝丹中学修学旅行in沖縄


女子会


快斗くんと作ったバターチキンカレーは程よい甘さの美味しいカレーに仕上がり、そりゃーもう納得な出来で2人でペロリだった!
そういえば原作でも快斗くんは甘党で、コーヒーとか苦いの嫌いだった気がする。
だからカレーも辛くなかったんだろうな、って、
快斗くんの好みを忘れないように頭の隅にメモっていた。
そして夏休みも終わり、帝丹中は2泊3日の修学旅行というビックイベントがあるわけだけど。
どっちがいいのかわからないから有希子さんにハワイで買ってもらった水着とスクール水着の両方を持っていったはいいけど、生憎の天候で水着の出番が来ることはなさそうだ。
…泳がなくて良かったからほんとに良かったけど!!


ピロン


沖縄に来ようがどうしようが、快斗くんは公言通り毎日連絡をくれた(ちなみに江古田中は来月広島に修学旅行だそうだ)


from:黒羽快斗
sub:無題
本文:そっち天気ど?大丈夫そ?


to:黒羽快斗
sub:びみょーです
本文:せっかく来たのに雨止まないの(´・ω・`)


from:黒羽快斗
sub:えー…
本文:それツラいなー。でもあおいちゃんなら雨でも楽しめるだろ?全力で楽しんでこーい!


to:黒羽快斗
sub:うん!
本文:全力で楽しみます!!


「あんたさー」
「うん?どうしたの園子」


夕食後、お風呂までの間に部屋で快斗くんとメールのやり取りをしてたら、園子が私の目の前にやってきた。


「誰と連絡取ってんの?」
「………えっ!?」


ジーッと私を見つめる園子。
…………夏休み前に園子から聞かれてはぐらかしたのが最後で、それからこの話題に触れていなかった。


「その相手って、」
「う、うん?」
「男でしょ?」
「えっ!?」


園子は私から目を逸らさない。
それはもう探偵が犯人捕まえた、みたいな鋭さがあった。


「新一くんのわけないわよね?」
「え?工藤くん?なんで?」


元々物事をあまり考えずに口にする私は、園子の質問にも何も考えずに答えてしまったのだけど、


「新一くんじゃないわけね」


私の言葉を聞いてニタァと園子が笑った。


「オッケー、あおい!蘭も!今夜は寝かさないわよー!」


私の頭をぐしゃぐしゃっとして、大浴場へと歩き出した。
………これはちょっと、ヤバいというかマズいというか寝たフリした方がいいと言うかいやでも快斗くんと「ちゃんと」友達になれた今は園子や蘭にも言ってもいいのかも


「あおいー?置いてくよー?」
「い、今行くー!」


どうしよう言うべきなのか、言わないべきなのか…。
隠すようなことは何もないけど、でも、ってところでチラつくのは工藤くんの顔なわけで。
いや私工藤くんと何もないし!
悪いことしてないし!!
あぁでもだけど、ってぐるぐる思っていたら、あっ!!という間に消灯時間なわけで。


「で?相手誰?」


6人部屋の私たちの部屋は3対3でお布団が敷かれていて、私、蘭、園子(園子は蘭の布団に侵入)の3人で頭をつきあわせていた。
ちなみに残り3人のクラスメートたちは、聞いていい話なら聞くけど、聞いてまずそうなら寝るっていう本当に優しい良い子たちだった!
でもさすがにそのまま話を進めるのはどうかと思ったらしい園子は、先生の見回りまではみんなで当たり障りない会話をしていた。
そして先生の見回りが終わった直後、蘭の布団に潜り込んで蘭の布団の向かいにいた私にツラ貸しなくらいの勢いで話しかけてきたのだった。


「な、ななななにが」
「へー、そう?あんたこの期に及んでしらばっくれるわけ?」
「…い、いやだなー、しらばっくれるなんてそんな、」
「ねぇ、何の話?」
「あおいが新一くん以外の男と連絡取ってんのよ!」
「…えっ!!?」
「蘭、声が大きい!」


そう言う園子の声に蘭が慌てて口を抑えた。
園子の目がギランギランしてる…。
ヤバいマズいヤバいマズい


「わかったわ」


私がどうしようどうしたらいいのって無い知恵ふり絞ろうとしたら、園子が目を伏せた。


「あんたが言うつもりないなら、新一くんにあおいがどっかの男と連絡してるって言」
「ごめんなさい、正直に話します」
「わかればいいのよ」


それもう脅しだよね!?
私悪いことしてないよ!
でも工藤くんに、快斗くんのことはちょっと、っていうか、かなり、言いづらいから…。
そんな私の痛いところをピンポイントで針で刺してきた園子を前に、ポツリポツリと話し始めた。

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bkm

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