キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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集められた名探偵


神が見捨てし仔の幻影


放課後、バイク取りに帰るがてら着替えてからあおいちゃんちに向かった。


「あおいちゃーん、会いたかったー」
「わ、私もっ…!」
「ほんとに?嬉しー!」


玄関開けて思わず抱き着いた俺を受け止め、抱き締め返してくれるあおいちゃん。
…これだ。
今の俺に必要だったのはこれだ。
わけわかんねー×2のせいでめんどくさくなってたけど、俺にはこれが必要だったんだ。


「ごめんなぁ、連休中会えなくて」
「う、ううん!予定合わなかったのは仕方ないし」


いつものようにソファに座ってくっついてると、


「ね、ねぇ、快斗くん」


不意にあおいちゃんが口を開いた。


「あ、あのさ、」
「うん」
「…挟まる?」


どこに?
とは思ったものの、俺から何かを感じ取ったらしいあおいちゃんからのこの言葉だ。
ということはつまりはまぁ、きっとそういうことなんだと思う。
と、結論づけた(この間3秒)俺は、


「うん。挟まる」


とだけ答えた。


「わ、わかった!」


そう言って立ち上がったあおいちゃんに、俺の頭を挟んでもらった(どこにとは言わない)
そしたらもう、そのまま終わるなんてこと、あるわけがなく。
流れに身を任せ、それから2時間後。


「黄昏の館?」


心身ともにスッキリした俺に、あおいちゃんが来週末予定が出来たんだ、と話してきた。


「そう。蘭が行けないって言うけど、コナンくんが行きたがってるし、小切手返さなきゃだからまぁ…おじさんとコナンくんの付き添いで」
「ふぅん」


探偵ボウズと眠りの小五郎の付き添い、ねぇ…。


「こ、この招待状なんだ…、画像だからちょっと見にくいかもだけど、」
「どれどれー?」


あおいちゃんからケータイを差し出された時は、今日はやたらと「招待」なんてー言葉聞くよなぁ、くらいの気持ちだった。
けど…。

毛利小五郎様
貴殿の英知をたたえ我が晩餐に御招待申し上げます。
つきましては下記により催したく存じます。
是非とも御出席下さいますようお待ち致しております。
黄昏の館 
      神が見捨てし仔の幻影

その中身を見た瞬間、昼間の白馬の言葉が蘇ってきた。
恐らくアイツにもこれが届いたんだろう。
て、ことは、少なくとも2人のそこそこ知名度のある探偵のところに招待状を出してるわけで。
まだ増える可能性もある。
…探偵たちを集めてる?
何のために?
何より、何故「俺」の名前を語る?


「…これに眠りの小五郎と、ええーっと、なんだっけ?蘭ちゃんちの居候」
「コナンくん」
「それ。コナンてガキと一緒に行くの?」
「そう。蘭の話しだとバスとかもない場所みたいだから、たぶん、レンタカー借りておじさんの運転になるみたい」


…これ、危ない気がするから行ってほしくねーけど、でもどうせ行くなら一緒に行った方がいいか。
てなると、選択肢は1つだな。
まず毛利小五郎についてと、それからこの黄昏の館についての情報を出来るだけ集めねーとだな…。


「いらっしゃ…快斗ぼっちゃま!?どうしました?」
「ちょっと調べんの手伝ってほしーことあんだけど。出来るだけ早急に」


あおいちゃんちからの帰りに、ジイちゃんのところに寄って助けを求め、その日に向けての準備を始めた。

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bkm

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