キミのおこした奇跡ーAnother Blue


≫Clap ≫Top

コナンvs怪盗キッド


ドレス問題


「それじゃあキッドの犯行は失敗だった、ってこと?」


4月1日のお昼。
園子からの呼び出しを食らった私と蘭は鈴木家にお邪魔していた。


「違う違う!キッド様は最初から言ってたのよ!エイプリルフール、って!つまり予告状自体がウソってことだったの!」


杯戸シティホテルに現れたキッドは、今日は下見だからねー、って言って逃げたらしい(園子談)
そして改めて、4月19日の鈴木財閥60周年船上パーティーで盗むからねー、って予告状を出した(園子談)


「って、わけで、2人の分もパーティーの招待状貰ってきたから!」


蘭にはおじ様とガキンチョの分もね、と園子は言う。


「え、ねぇ、私の分も2枚招待状あるよ?」
「あぁ、それ?呼んだら来そうじゃない?黒羽くん」


渡された招待状は2枚あって、1枚は快斗くんのだって…。


「い、やー…、快斗くん、来るかなぁ…?」
「は?来るでしょ。だってあおいのドレス姿が見れんのよ?」
「…ドレス!?私持ってないよ!?」


快斗くんはキッドのお仕事だから、来れないんじゃ、って思った私の前に、そもそも私が行けなくない!?って話題を出された。


「え!?蘭は!?持ってるの!?」
「え?あー、うん、まぁ1着あるけど」
「なんでっ!?」
「な、なんでってなんで?」
「普通女子高生がドレス持ってなくない!?」
「え!?あ、いや、ほら、うちお母さんの関係とかでたまぁにパーティー呼ばれるから…」


パーティードレス1着あれば便利かなって思って、と蘭は言う。
…ドレスないの私だけじゃん!!


「あんたが嫌じゃなければ私が持ってる奴貸したげるから」


ドレスなんて気にすんな、くらいのニュアンスで園子は言うけどさ。
普通女子高生ってそんなにドレス持ってないと思う…。
園子から借りるのは全然いいんだけど、サイズとかサイズとかサイズの問題があると思うし…。
なんて思っていたら、


「ほら、あったわよ!あんたに似合いそうな奴!」


園子がクローゼットに消えたと思ったら、パーティードレスを数着抱えて戻ってきた。
…ドレスが収納されてるクローゼット!
さすが鈴木財閥!!


「これとかあおいに似合いそう」


蘭が薦めてきたのは、淡いピンクのドレスだった。
この色可愛くて私もいいなー、って思っていたら、ちょっと着てみなよと言われ。
なら…、と思い、いそいそと試着させてもらったわけだけど…。


「ね、ねぇ、」
「お、着れた?」
「これさー…、ちょっとキツい」
「え?ウソ!それわりとゆとりあるサイズで」
「だって胸のとこ上手く閉まらないよ」
「「…」」


園子の部屋の、隣の部屋を試着室として使わせてもらった私は、上手く胸が閉まらない状態のまま、園子の部屋に戻った。


「ちょっと見せて」
「え?ちょっ、痛いっ!!」
「こーやればそのデカい胸も収まるでしょ!?」
「園子、そんな乱暴な…」


ドレスの中に胸をしまい込もうとする園子と、それを見て苦笑いする蘭。


「あ、ちゃんと着れた」
「これで充分でしょ!?」
「でもそれだと、胸が強調されちゃうんじゃない?あおいはいいの?水着の時のこともあるし、黒羽くん、嫌がりそうだけど」


園子の着せ方は無駄に寄せて上げてな着方な気がして、確かに蘭が心配するのは最もな気がしなくもない。
でも園子から提示されたドレスたちの丈的には、これしか選択肢がなく…(あとは詰めたりしなきゃいけなそうだし)
ちょっと保留で、ってことにした。


「あー、あおいちゃん、鈴木財閥の船上パーティー呼ばれたんだ?」


その日の夜、快斗くんと電話してる時のこと。


「園子がね、快斗くんの分の招待状もくれたんだけど…来る?」
「んー…、その日はたぶん無理かもなー…」


招待状のことを話題に出したら、案の定お断りされた。
そうだと思う。
うっかりパーティーに参加して、あれ?黒羽くんいなくない?え?なんで?もしかして彼がキッドなの!?みたいになったら大変だもん。


「パーティードレスはどーすんの?」
「あ、あー…。持ってないから園子から借りようか、って、試着させてもらったんだけど、」
「写真あるなら見たーい!」


やっぱりみんな気になるのはドレスのことのようで、快斗くんもその話題に触れてきた。
一応試着、ってことだけど、写真撮ったから、その写真をメールで快斗くんに送った。


「……………他には?」
「え!?ほか!?…こ、これ1枚だけだけど…?」


送った写真は、


「わかった。週末、パーティードレス扱ってる店見に行こう」


快斗くんにはお気に召さなかったようだ。


「え?このドレス、だめ?」
「ダメ。もっとあおいちゃんに似合うのある」


快斗くんはバッサリと切り捨てるように否定してきた…。


「で、でもさ、」
「うん?」
「パーティードレスなんて買ったって着る機会なんてそんなにないと思うしさ。そのためだけに買うのももったいない、って思ってさ、」


そりゃあ、園子はお嬢様だから必要だよ?
蘭も弁護士の娘だから、そういうパーティーに呼ばれることもあるよ?
でも私、庶民の子なのね!?
ただの女子高生がパーティードレス買っても、そのドレスの出番なんて1度しかないわけ!
そんなのもったいないじゃん!!


「あー、そういや、」


なんて私の思いが伝わったのか、快斗くんが口を開いた。


「お袋が持ってたような気するなー。ほら、そういうの捨てるに捨てられねーじゃん」


探してみようか?と快斗くんは言う。


「で、でもお母さんともサイズ違うし、」
「直せばいいだけだし、ダイジョーブだって。んじゃあ、探しておくよ」


快斗くんの中ではそれで決定したようで、快斗くんのお母さんのドレスを借りることになった(予定)
でも勝手に借りるのもなー、と思った私は、快斗くんのお母さんに事情を説明したメールを送った。
しばらくして、お母さんから、着たら写真見せてね、と承諾のメールが着たことに安心して、ドレス問題は解決しそうだ、と思った。

.

prev next


bkm

×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -