キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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コナンvs怪盗キッド


春休みのビックイベント


「じゃあ休学するの?」
「んー、そうなるな」


阿笠邸で新一くんもとい、江戸川コナンくんと出逢ってからしばらくして、新一くんから電話がかかってきた(きっと変声機が完成した)
何事かと思ったら、しばらく休学するっていう報告だった。


「俺がいないからって、怠けてんじゃねーぞ。あおいはすーぐ成績に出んだから」
「あのねー、器用に怠けられるほど頭良くありません!」
「わかってんじゃねーか」


ハハッ、と笑う声はどう聞いても新一くんの声で。
…博士の発明ってすごいんだな、ってつくづく思った。


「オメーさぁ、」
「なに?」
「…しばらくは相談乗ってやれそうもねーけど、あんま1人で抱え込むなよ?」
「…………なにを?」


新一くんが切る間際、そんなことを口にした。


「蘭も園子もいるんだし、何かあったらアイツらに話し聞いてもらえ」
「…うん?」
「すぐに返信が無理でも、メールしといてくれたら俺も読むから俺にメールでもいいしな」


この人はいったいなんの話をしているのか…。
頭にクエスチョンマークが飛び交っている私は、ちゃんと聞いてみようかと思ったけど、


「んじゃまぁ、そーいうわけで、クロバのことで何かあったら蘭や園子に聞いてもらって、それ以外で問題あったら俺に直ぐメールしてこい」
「…それはまるで快斗くんのことやそれ以外でなにか問題起こりそうな言い方、」
「とにかくそーいうことだから、じゃまたな」
「あ、ちょっ、」


新一くんは言うだけ言って、一方的に会話を終了させた…。
いったい…なにが…?


「じゃあ新一くん、このまま休学ってこと?」


クエスチョンマークが飛びかいながら終わった新一くんとの会話を、翌日園子と蘭に話した。


「んー…、たぶん?」
「もう1年も終わるんだし、最後くらい来ればいいのにねー」
「でも事件になると直ぐ他が見えなくなる新一らしいよ」


あと2日で1年生も終わる。
だから2年生になってから休学すればいい、と言う園子の意見もわかるけど、そこはもうのっぴきならない事情、って奴だから…。
チラッ、と蘭を見ると、仕方ないよねー、みたいな顔をしてる。
…結局蘭は、ほんとのほんとに、10年かけて気づかせるつもりでいるのかな…。
それを園子にも話してるのかどうか…。
今度聞いてみよう。


「それよりさ!ついに私も狙われちゃったのよっ!」


来ない奴のことはどうでもいい、とでもいうような勢いで、園子がすごい嬉しそうな顔をして言ってきた。


「狙われた、って誰に?」
「キッド様によー!」


きゃー!と、園子は両手で頬を抑えながら、夢見る乙女ポーズを取る。
…1年も終わる、ってことは、エイプリルフールだ!


「鈴木家の黒真珠!」
「あんた情報早いわね」
「て、テレビでやってた、し?」
「あおいはほんと、テレビっ子だよね」


蘭がくすくす、と笑う。


「よ、予告状、見た!?」
「もち!あんたも見たい?」
「見たい!」
「ちょい待ち…んー…あ!ほら、これよ!」


そう言って園子はケータイ画面を見せてきた。
写真で撮られたそれにはっきりと書かれていた。


April fool 
月が二人を分かつ時 
漆黒の星の名の下に 
波にいざなわれて 
我は参上する 
       怪盗


間違いない。
ブラックスターの予告状だ。


「これくしゃくしゃだけど、どうしたの?」
「パパが怒って破いちゃってさー」
「エイプリルフール、ってことは、犯行日は4月1日ってこと?」
「みたいよ」


蘭と園子の会話が耳を掠める。
えぇー、と。
これは確か最初は嘘、ってことで、エイプリルフールに屋上でキッドとコナンくんが出逢う、ってのが、あ!


「そ、そう言えばコナンくんてどうしてるの?」
「え?コナンくん?」


肝心のコナンくんがいないと話が進まないじゃん!!


「コナンくんのお母さんが海外から一時帰国してるから、今はお母さんといるけど、また直ぐうちで預かることになってる」
「はぁ?蘭の家とは縁もゆかりもないガキンチョ、よく面倒見る気になったわね!」
「それがね…。コナンくんのお母さんが預かってくれるお礼も込めた生活費を、ってすごい額の通帳を渡されたんだけど…」
「まぁ…生活費は必要だしね」
「うん、そうなんだけどね…。本人が来て、うちでちゃんと預かる前に、ちょっと使っちゃったんだよね、お父さんが…」
「「あー…」」


蘭がため息まじりにそう言うと、園子と声をハモらせて唸ってしまった…。


「それはちゃんとお世話しないと…」
「さすがおじ様よねー…」
「うん、わかってる。…はぁ…」


蘭て…苦労する人生送りそう…。


「で、でもさ!あの子、賢くない?この前、博士の家でちょっとお話したけど、」
「そう!そうなの!コナンくん、すごく頭が良い子なんだけど、新一とも仲良いって知ってた?」
「そっ、れは、知らなかったなぁ…」
「一緒にいる時に何度か事件に遭遇したんだけど、すごく的確にいろいろ言うから不思議に思ったのよ。そしたら新一とこっそり電話して推理してた、ってことがあったの!」
「へ、へぇー…」
「でもあの子が来てから、お父さんの仕事増えた気するし、コイツは福の神かもー、なんて言ってるから、なんだかんだでお父さんもうちで預かることに賛成なんだよね」
「まぁ、おじ様も最近、眠りの小五郎とか言われはじめてる、って話だしねー」


…そりゃあ、そうだと思うよ。
日本警察の救世主が裏で糸引いてサポートしてるんだから、おじさんの探偵業うはうはだと思う。
今はそれよりも…!


「ね、ねぇ!キッドに狙われる宝石、見てみたい!」
「そう言うと思って、もうパパに話しつけてるわよ!」
「さすが園子!お、おじさんもコナンくんも来るかな!?」
「え?コナンくんは、もしかしたら言えば来るかもしれないけど、お父さんはどうだろう…」
「だ、だってキッドの暗号だよ?すごく難しいじゃん!これはやっぱり、ちゃんとした名探偵に推理してもらった方がいいんじゃないかな!?」
「…まぁ、確かに。イマイチあの予告状、意味わかんないしね」
「でしょー?じゃあみんなで見に行こうよ!」


園子と蘭を説得し、近々みんなで米花博物館に行くことになった。

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bkm

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