キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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コナンvs怪盗キッド


小さくなった名探偵


「じ、じゃあ放課後、そのコナンくん?見に行っていい?」


学校に行って蘭に会って、トロピカルランド後の顛末を聞いた。
私がお願いしていたジャケットを新一くんの家に持って行ったけど、新一くんはいなくて阿笠博士と、博士の親戚のコナンくんて子がいて。
話の流れでコナンくんを蘭のうちで世話することになった、って。


「もちろん!あ、でももしかしてお父さんと出かけてるかもしれないけど…」
「行くだけ行ってみたい!」
「うん、いいよ」


蘭曰く、昔の新一に似てる!とのことで。
…幼馴染鋭いな、って思った。


「てゆーか、当の本人いないわね」
「あー…、事件がどーしたこーしたって」
「あんたそれ、ちゃんと聞いてないでしょ」
「聞いてるよー!でもだいたいが事件がどーしたこーしたって話だから間違ってないって!」
「事件ねぇ…」


園子が会話に加わって、新一くん不在を疑問に思うものの、もうそうとしか説明できない私は、それで押し切った。
そして放課後。


「園子は蘭の家に行かないの?」
「ガキに興味なーし!」


てことで、蘭と2人毛利家へと向かったわけだけど。


「おぅ、あおい。学校帰りに寄るとか珍しいじゃねーか」
「なんか子供預かるって聞いたからどんな子か見てみたくて」
「あー、あのガキか。そこら辺で遊んでんだろ」
「ちょっとお父さん!どーせ暇なんだから、ちゃんと見ててくれてもいいじゃない!」
「どーせ暇だと!?俺ぁ、忙しいんだよ!!」
「あ、おじさん。おじさんがオススメしてくれた沖野ヨーコのドラマ全集すごい良かった!!」
「見たか!?ヨーコちゃんの可愛さを!!」
「私vol.2が好きなんだけど、」
「かーっ!お前もまだまだだな!ヨーコちゃんの良さを1番出してるのはvol.3の」
「ちょっと待ってっ!!!」


私とおじさんがヨーコちゃん話で盛り上がり始めたところで蘭が声を上げた。


「コナンくんがいないのよ!?まだ道だってよくわかってないだろうし…。沖野ヨーコの話は後にしてよ!私ちょっと表探してくるから!」
「あ!じ、じゃあ、私、博士に用があるから、そっち行ってみるよ」
「ほんと?じゃあいたら連絡くれる?」
「わかった!」


そう言って蘭と一緒に毛利家(厳密には探偵事務所)を出た。
コナンくんがここにいないなら、いる場所は絶対博士の家!
そう思った私は、蘭と別れて博士の家に向かった。


すー はー


チャイムを押すだけなんだけど、ちょっと緊張する。


ピンポーン


チャイムの音が響いた数秒後、


「はーい、どちらさまぁー?」


ここに来た当初、さんざん聞いていた、新一くんの声変わり前の、幼さのある声が聞こえてきた。
ガチャ、と玄関ドアが開くと、


「えっ!?」


私の姿にあからさまに驚いたその子は、私よりも目線が下で。
…やっぱり、そうなったんだね、って。
この世界はやっぱり、あなたが主人公の世界なんだ、って。
心の中でそう思った。


「こんにちは!もしかして、蘭が言ってたコナンくん?」


コナンくんに目線を合わせるように、少ししゃがんで話す私に、コナンくんは目を泳がせた。


「そ、そう、だけ、ど…」
「はじめまして、コナンくん。私、芳賀あおいだよ」
「あ…、うん…、はじめ、まして…、江戸川コナン、です」


新一くんにしてはめっっずらしく、もじもじっ、と、語尾が聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう返してきた。


「おーい、誰じゃった?」
「「博士!」」


奥から聞こえた声に、コナンくんと声を揃えるように言った。


「あおいくん!?ど、どうしたんじゃ?」
「え!?どうした、って…」


とりあえずコナンくんに会おう!って思っていた私は、なぜ博士の家に来たのか、って言う理由を全く考えていなかった…。


「え、えぇーっと…、そ!そうだ!新一くん!知らない!?学校無断で休んだんだよねー」
「えっ!?い、いやー、ワシは知らんのぉ…」
「そ、そっかー、知らないかー、また事件かなー?」
「そうなんじゃないか?」


あはは、と博士と(胡散臭く)笑い合う。
…な、なんとか誤魔化せた気がする…!


「こっ、この子、博士の親戚だ、って蘭から聞いたよ!」
「お、おぉ、そうなんじゃそうなんじゃ!コナンくんと言ってな、」
「いくつ?」


よし!話が逸れた!このままコナンくんの話題に行こう!そう思って、当たり障りなく歳を聞いたんだけど。


「いくつ!?い、いくつ、じゃったかのぉ…。のぉ?新い…あ!いや!コナンくん」
「えっ!?ぼ、僕は…えぇーっと、」


まだそういう細かい設定(設定?)を話し合ってなかったみたいで、2人ともすごく慌ててた。


「し、小学生、かなー?」


そりゃあ小学生だろうけどさ。
って答えを新一くんは言ってきた。
…この人、絶対そういうこと深く考えてない気がする!


「今1年生?今度1年生?」
「えっ!?…こっ、今度?」
「そっかー。じゃあ入学準備とか大変だね。終わってるの?」
「にゅうがくじゅんびっ!?」
「…だってランドセル買ったりしないとだよね?小学生なら…」


私の言葉に、新一くん(コナンくんだけど!)は顔を青くして、博士は頭を抱えた。


「とにかくさ、蘭が心配してたから、コナンくん1度蘭の家に帰って」
「あ!あー!僕ねー、今日、博士のお家に泊まらせてもらおうかなーって思ってて。ねぇ、博士!?」
「え!?あ、あぁ、そうじゃったな。蘭くんにはワシから連絡するから、」


きっと今夜、江戸川コナンの詳細設定を話し合うんだな…。


「じゃあ博士、蘭に言っておいてね」
「おぉ。わかっとるわかっとる」


これ以上は私邪魔かな、って思って、早々に博士の家から立ち去った。
…とりあえずしばらくは「江戸川コナン」として暮さないといけないんだから、もうちょっと煮詰めて設定考えてもらわないと、私が対応できない。
そう思いながら、家路に着いた。

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bkm

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