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『ん〜っ、終わったー!』
長い1日が終わり、ようやく解放される。
「名前ー、帰りにカラオケ行かない?」
『ごめん、園子。この後コナンくんとデートっ!』
「またあのガキンチョとぉ〜!?…っていないし、」
せっかくの園子からのお誘いだったけど、ごめん。
コナンくんが待ってるからー!と、猛ダッシュで学校を駆け抜けた。
…あれ、今、鬼の形相の担任がいた気がしたけど…うん、気のせい!
『コ、ナ、ン、きゅんっ!』
「わっ、名前姉ちゃん!…着くの早くない?」
『うん、猛ダッシュで来たから!』
若干髪が乱れてる気がするけど、それよりも早くコナンくんに会いたかったんだよね。
帝丹小から米花町へ向かう途中の十字路で待ち合わせをしていた。
『でも、いいの?工藤くん家に入っちゃって…』
「うん、新一兄ちゃんには許可取ってあるから大丈夫だよ」
『あー、コナンくんって工藤くんと親戚だっけ?』
お手てつないで帰宅中。
今日はなんと、工藤くん家にお邪魔しちゃいます!
えと、読んでみたいミステリー小説があって。コナンくん曰く、新一兄ちゃん家にあるよ。との事。
なので、せっかくだから工藤くん家にお邪魔しちゃおう的な。
実は初めてなんだよね、工藤邸。
『おっきいね…』
ドーンとそびえ立つ洋館、工藤邸。あー金持ちってすごい。
「どうぞ、名前姉ちゃん」
『お邪魔しまー…す』
うひゃー、中も素晴らしいインテリアで。工藤くんにこんなセンス無さそうだから、元女優のお母様かしら?なんて考えながら、奥へと進む。
「ここだよー」
『う、わぁ…』
1面本、本、本…。見渡す限り本の部屋が姿を現した。
『ほわー…。こりゃ、工藤くんが推理オタクになるのも無理ないね…』
と言うと、ジト目でコナンくんに見られてた。え、何?
「…あ、名前姉ちゃんが読みたい本は…んと、これでしょ?」
『そうそう、コレ!ありがとうー』
コナンくんが少し背伸びして取った本は、間違いなく私のお目当ての本。きゃー、嬉しい!
『もうコナンくんありがとうー』
「わっ!?」
ギュッと抱き締めて頬擦りしたら、みるみるコナンくんは赤くなった。
「ま、前から聞きたかったんだけど、」
『うん?』
「名前姉ちゃんって誰にでもこういうのするの?」
『え?』
「だって、新一兄ちゃんにもするでしょ?だから…みんなにやるのかなって」
え、これはヤキモチ?ヤキモチだよね?んもー可愛いすぎるっ!
『んもー、コナンくんてば。違うよ。工藤くんとコナンくんは私の特別な人だから、2人にしかしないよ?』
「そう、なの?」
『だから、安心して?こういうのするのもコナンくんだけだから…』
チュッと頬っぺにキスを落とす。
「…っ!」
『だって、特別な私のオモチャだもん!』
「…オモチャ…」
笑顔でそう言うと、何故かコナンくんは落ち込んでいた。…何故?
ちなみに私は翌日、担任に廊下を走るなと高校生になっても注意され落ち込んだ。
→感想・感謝
bkm