my sister | ナノ


何が怖いの、って聞かれたら、そりゃあ皆が姉の方へ行ってしまうのが怖かった。折角仲良くなれてきたと思ったのに、姉と会ってしまうことで、私を遠藤深衣の妹としか見てくれなくなるんじゃないかって。

そうなってしまえば、
結局、氷帝にいた時と同じになってしまう。私は、私なのに。皆、姉と仲良くなりたいからって私に近づいて。姉と仲良くなれたら私は用済みで。私に優しくするのは姉に良く思われたいからで。


「遠藤、大丈夫か。顔色が悪いぞ」

「あ、はい。大丈夫です」


合宿当日の朝、集合場所である立海の校門に行って皆を待っていれば、柳先輩に心配そうに顔を覗き込まれた。


「全くまた赤也は寝坊か。けしからん!」


真田先輩は腕を組みながら言う。どうやら切原くんが遅刻をしているらしい。時計を見ればもうすで集合時間を5分過ぎている。


「すんません、遅れましたー!」


切原くんが息を切らせながら来た。先輩達が切原くんを叱る姿を見てああ、なんだか微笑ましくて、平和だなあ、なんて思う。
こんな平和がいつまでも続けばいいのだけれども。



2012/02/08
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