my sister | ナノ



ばいばい、またね。

そう言って、泉山先輩は立海を去って行った。
今の時代には携帯電話なんていう優れた機器はあるためメールなんかはして連絡しあうことはできるけど、泉山先輩の姿を見ることはもう暫くないだろう。


「寂しいか」


柳先輩の問いに、私は素直にはい、と答えた。


「まあ二年か一年からもう1人くらいマネージャーをとってもいいんだけどね。遠藤も一人だと色々と大変だろう? どうする?」

「いえ、大丈夫です。暫くは、1人で頑張ります」


幸村部長の申し出を私は断った。
泉山先輩の抜けた穴は、私が埋める。私自身でうめる。他の赤の他人にうめさせたくない。
すぐに新しいマネージャーを迎え入れてまるで泉山先輩が最初からいなかったかのようにはしたくなかった。短い間だったけど、私が泉山先輩と過ごした時間は本物で、私の大切な思い出。それを消したくない。


「また、会えますよね」


私は誰に向かってでもなく呟いた。
きっと、湊ちゃんの病気だってよくなる。

私は泉山先輩から沢山のことを教わって、沢山のことを学んだ。だから、もう泉山先輩がいなくたって大丈夫。全部1人で、やれる。
次、泉山先輩と会った時には、もっと成長した私の姿を見てもらえるように、頑張るんだ。



2012/02/05
- ナノ -