初日


俺は今日、初めて公式戦でレギュラーとして試合に出させてもらうことになった。ずっと憧れてきた試合に。さすが立海と言えるだろうか、立海コールが止まらない。俺はこの熱気の中心に立つことをどれだけ夢見ていたか。

この舞台に立って3強をブッ潰すために、今までどれほど練習してきただろう。中3にしては厳つい外見で見た目通り厳しい真田副部長にはいつも鉄拳制裁を加えられ、正直めげそうになった日だってある。

自分が無意識のうちに作ってきた壁を何個も乗り越えてきて、やっとこの日が来た。夢が叶うチャンスへの一歩だ。

センパイや他の部活の奴らはできることでも、俺ができないことがあれば帰り道に1人で泣いたことだってあった。自分が思うようにプレーできなくて自信がなくなった時もあった。でも、そんな日にはなぜか必ず誰かが励ましたり、喝を入れてくれた。

どんなに悲しいことがあろうと、後輩には何も無いように明るく接してくれたセンパイ達が俺には輝いて見えたし、ちょっとは頼って欲しいと思った。

センパイ達に負けたくなかった。俺は自分の試合がやりたいといつしか思うようになっていた。センパイ達のお荷物になりたくなかったし、やっぱり俺は日本で、いや世界で1番強いテニスプレイヤーになりたい。

怪我をして仕方なく部活を休んだ時は、悔しくてまたしても泣いていたこともある。学校の勉強と練習はイマイチ両立できていない気もするけど、今はテニスに集中していたい。

いつの間にか、立海コールがどこかからか聞こえるようになっていた。俺はここで立海のレギュラーとして試合をしているんだと実感した。

今が、今までやってきたことを見せる時だ。死ぬ気でボールを追った。死ぬ気でラケットを振った。入った時のあの気持ちを忘れず、全力で取り組め俺!!!

夢は努力の中にあるって誰かが言ってた気がする。今までやれることはやってきた。努力は裏切らないと信じてる。夢は努力の先にあるはず。だから俺は夢が叶う日まで、頑張るって決めた。

2013.08.22

これ、私が好きな某アイドルさん達の同じ題名の曲を聴きながら書いたんです。だから、内容ほぼそのままになっちゃいました…
この曲聴いた時に、なぜか赤也しか出てこなくなって、じゃあ書いちゃえ!っていう軽いノリで書いていました。

公式戦初めて出た時は本当に嬉しかっただろうなって思ったんです。でも、先がどんどん苦しくなっていって、この時の初心なんてとっくに忘れちゃってるかもしれないと思うと、中々切ないです。





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