夏の日の放課後


うあーあちい。土日の部活ほどだるいものはない。勿論、全国で争ってる俺らが土日に部活やらなかったらすぐに揚げ足とられるのは分かってるんだけどだるい。

そんな週末の練習が終わったということで、今週も一週間お疲れ様の意味を込めて、仁王と幸村くんと赤也と俺の四人でアイスを買い食いすることになった。

経緯は簡単、幸村くんの、「アイス、食べに行くよ」という一言だ。そりゃあもう、めちゃくちゃいい笑顔だった。いつもだったらとんでもないこと言い出す幸村くんが、珍しくアイス食べたいだなんて普通なことを言い出したから俺たち3人はあからさまにホッとしていた。

そして、学校から徒歩3分くらいの所にあるコンビニに寄った。このコンビニは学校の最寄りということもあって、立海の生徒がこぞって利用している。学生が客に多いということもあってか、他のコンビニよりやたら品揃えが良かったりする。そして俺は、食べ物食べたさにお目当てのアイスコーナーへ一直線に向かった。

「やっぱりここはいっぱい種類があるな。」 幸村くんはご満悦らしい。素直に安心した。

「どのアイス買おうかの…。」
どのアイス買おうとか言ってるけど、スーパー○ップのチョコミント味しか買わないのを俺は知っている。

「やっぱこれっすよね!!!」
と、赤也は迷うことなく、パ○コのチョココーヒー味を手に取った。パ○コって2つに割ってリア充が食べてるのよく見るけど、どうやって食べるんだよ…「俺が1人で全部食べるんすよ!!!」…そうかよ。というか、なんで心読まれてんだ。

幸村くんは結局、端のほうにちょこんと鎮座しているハー○ンダッツのバニラ味にしたらしい。幸村くん曰く、「アイスと言ったら、ハー○ンダッツでしょ?それ以外ありえない!」らしい。中学生が学校帰りにハー○ンダッツとか聞いたことないんだけど俺。家でも年に1,2回食べれたらいい方なんだけど。今の所持金いくらか聞いたら、財布から諭吉が出てきて、3人ともちょっと引いてた。

俺は何を買うかというと、ハー○ンダッツとは反対側の端にあった1リットル入りのバニラアイスだ。1リットルで398円とか良心価格すぎる。このアイス、このコンビニ以外ではあまり売ってる所を見たことがない。「またブーちゃんそんな大きいの買ってるんか、だからブーちゃんなんじゃよ。」変な声が聞こえてきたが無視する。美味しいんだから仕方ない。ちなみに俺は、これを一気に全部食べる訳ではない。さすがに1リットルを一気に食べれないし、食べたとしても、絶対に腹壊す。レジで何個かドライアイスを貰ってちまちま食べながら、家でも食べられるように持って帰っている。家で食べるアイスは冷蔵庫に入れるから冷えてて美味しい。

全員が買うアイスが決まったから、レジに向かうことにした。暑すぎて他のお菓子を食べる気はみんな失せていた。レジに向かうと、いつも大体いるフリーターであろう若めの男の店員が面倒そうにレジをしていた。幸村くんはさっき出した1万円札しか持ってきてなかったらしく、店員がめちゃくちゃ面倒そうに会計をしていた。氷帝の跡部がブラックカードで会計をしているとどこかで聞いたことがあるが、それに比べたらマシなのかもしれない。俺も、1回でいいからアイス買うためだけに諭吉を崩してみたい。

そうして、無事にアイスを買い終え、このコンビニのすぐそばに電車の駅があるからそこでこいつらとはお別れだ。

「センパイ、また明日っす!さようならー!」赤也ってなんでこんな元気なんだよ…。
赤也と同じく電車に乗って通学している仁王ともここで別れた。仁王はもう疲れたというような表情を隠しもしていなかった。

俺と幸村くんは途中まで同じ方向だからなんともないことを喋りながら帰って、分かれ道のところで別れた。

別れてから何分か歩くと俺の家がある。インターホンを押して家に入った。

「「ブン兄 / 兄ちゃん おかえり!!!」」

弟達の声を聞いて、今日も色々あったけど、一日終わったんだなってなんか安心するという毎日を過ごしている。


2013.08.21
ブンちゃんの夏のある日の放課後を書いてみたかっただけです。今回は自分でアイス買っていますが、1/3の確率でジャッカルに奢らせていたりします。







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