もうやだ
だいちゃんと私、桃井さつきは家が近所同士という所謂幼馴染という関係だ。幼稚園から小学校、挙げ句の果てに中学校まで同じところに通っている。
「ねぇだい…青峰くん、この髪留め可愛くない?」
「あぁ?…まぁ可愛いんじゃねぇの?」
実は最近、友達にいくら幼馴染だからって「だいちゃん」呼びは恥ずかしくないかという指摘を受けてしまったのだ。それからなんとなく気になってきて青峰くんと呼ぶようになった。
ちなみに、青峰くんはずっとやたら胸の大きな女の人ばかりが載っている雑誌の「堀北マイ特集」というコーナーを食い入るように見ている。
多分さっきの返事も適当だろう。だってさっきからずっとマイちゃんしか見てない。薄っぺらい紙の向こうにいるマイちゃんとやらに負けていることがなんだか悔しくなってきた。
「さっきからマイちゃんばっかり見てないでちょっとくらいこっち見てくれたっていいじゃん!」
つい声を少し荒げてしまった。大体人を家に呼んでおいて誘った人すっぽかしてひたすら雑誌読んでるとかどうかしてると思う。だからこれでよかったということにしておく。
「あぁ?マイちゃんみたいなでっかい胸になってからそういうこと言えよ?」
この言葉を聞いた途端にすごい後悔した。なんでこんなやつの幼馴染やってるんだろうと。
「だいちゃんなんてマイちゃんの胸に埋もれて死んじゃえ!!!」
いつの間にかこんなことを言っていた。全くキャラじゃない。
「え?マジで?それなら俺の本望だわー。」
もうやだ。返事する気も失せた。学校帰りだったから持っている鞄から今日出された課題を出してやることにした。元から課題やっておけばよかったかもしれない。
何も返事しなくなった私を気にもかけず、だいちゃんは黙々とマイちゃんを見つめている。
…おっぱい星人な青峰を書いてみたかっただけです。
2013.03.26
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