中編小説 | ナノ



最後の恋 A
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『・・・・・・・・・・・・』


『・・・あなた』




さっきまで声を荒げていた男は
寝室の窓辺から静かに外を見下ろしている



『・・・・・・行ったか』



『・・・・・・・・・・・・ええ』



どこか遠くを見つめて
ひとつため息をついて



『子供とは・・・親の思い通りにはならんもんだな』




丘の頂上からゆっくりと現れる朝日が
静かに存在感を放って眩しい



『これもユーリアが大人になったということですよ・・・』



『・・・』


『巣立つ鳥を引き止めようとする方が無粋というものです』


『・・・そうかもな』



小さなため息が、冬のしんとした木々に消えた。








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