中編小説 | ナノ



最後の恋 @
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ある薄霏の明け方



大きな扉を静かに開けて
瞳をそっと閉じて
そよぐ風を感じる



「・・・」


丈の長い薄手のドレスが
光を受けて無邪気に揺れて
風に揺れる木枯らしは
その役目を終え静かに佇んでいる


感じる・・・


どこか儚くて、ほの暗くて・・・
でも、何にも負けない幸せ。



「・・・さあ」



大きく空を仰ぎ
ユーリアは静かに囁く


小さな鞄に僅かな荷物と
確固たる決意を詰め
大きな一歩目を踏みしめて。








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テーマ「人外ファンタジー」
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