中編小説 | ナノ



Solitude A
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さっき『二人で抜けよう』って
先輩が私を誘ったのは、この為だったんだ



鏡の中の自分をなだめる
はやく、はやく冷静に・・・
先輩のことは忘れなきゃ
もう、終わらせなきゃ・・・この恋を

決意を決め、冷水で手を洗う



必死に涙を止めて再び席に戻ると
先輩が心配そうに待っていた


『・・・大丈夫?』

「すみませんでした」


笑ったつもりだったけど、
・・・うまく笑えてたかな?


『ねえ』

「はい」


『もしかして・・・』


ビクッと体が反応する
もう、ほじくり返さないで・・・


忘れるって決意したばかりなのに
変に期待してしまう自分が心底嫌い

絶対に持ってはいけない
誰も幸せにしない期待を・・・



「・・・」

『・・・そっか』




ひどい捨て方をした悪い男だったって、
今なら引き返せるわ

期待しちゃ、ダメ・・・





『・・・ごめんね』







・・・ほら、やっぱり。












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