Solitude A2/3
さっき『二人で抜けよう』って
先輩が私を誘ったのは、この為だったんだ
鏡の中の自分をなだめる
はやく、はやく冷静に・・・
先輩のことは忘れなきゃ
もう、終わらせなきゃ・・・この恋を
決意を決め、冷水で手を洗う
必死に涙を止めて再び席に戻ると
先輩が心配そうに待っていた
『・・・大丈夫?』
「すみませんでした」
笑ったつもりだったけど、
・・・うまく笑えてたかな?
『ねえ』
「はい」
『もしかして・・・』
ビクッと体が反応する
もう、ほじくり返さないで・・・
忘れるって決意したばかりなのに
変に期待してしまう自分が心底嫌い
絶対に持ってはいけない
誰も幸せにしない期待を・・・
「・・・」
『・・・そっか』
ひどい捨て方をした悪い男だったって、
今なら引き返せるわ
期待しちゃ、ダメ・・・
『・・・ごめんね』
・・・ほら、やっぱり。
≪|≫