中編小説 | ナノ



BLACK SHEEP @
5/5



『ふん・・・面白いね』


「・・・」




俺も椅子から立ち上がる
そして・・・ゆらりと光る瞳を見つめる
どこか情欲に駆られたようなそれから目が離せない




『ユーリアちゃん・・・あーそぼ』




細い顎を掬いとり、薄い唇を重ねる
鼻をかすめる濃厚な花の香りが印象的

でも何か・・・別の匂いもする。
よく嗅ぐ匂いだけど、ぱっと思いつかない。



「じゃあ今夜」



唇が離れ、振り返ることなく扉に向かう君
片手でいとも簡単に重厚な扉を開ける。



『・・・今夜が楽しみだね』






制服についた埃を払い礼拝堂を後にした。
霞みゆく空の下、彼女の赤い瞳を思い出しながら。







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