中編小説 | ナノ



BLACK SHEEP @
4/5



『ここさ、俺が仮眠場所で使ってるんだよね・・・』


「すぐに出ていきます・・・失礼しました」


『だから待てって』




腕をぐっと引っ張って隣に座らせる
可愛くないなぁ・・・外見は一級品なのに。



よせばいいのに。
ちょっとした興味本位で彼女のことをつついてみる




『どう?学校生活は』


「・・・普通です」


『普通って。泣いてたのに』




ふっ、と鼻で笑って足を組む
彼女は相変わらず俯いて膝の上で両手を握りしめてて・・・痛々しいったら。




『女の子ひとりで大変でしょ』


「いえ・・・特に」




変わってるな。
どう考えてもやりづらいだろうに・・・
あぁ、だから〈紫寮生〉なのか。


美人だけどもったいない。
こんなに俯かれちゃ続く会話も続かない。




・・・・・・実はちょっとだけ
この子と遊びたかったんだけどな。
ほら、この学校って娯楽ないし。


ここは誰もいないし
退屈しのぎにはもってこいだったのに。




『引き止めてごめんね。ユーリア』




ぱっと腕を離す
彼女は立ち上がり、俺に背中を向ける
本当に・・・いい度胸してる。




「ファントムハイヴ先輩」


『なーに』




「今晩・・・先輩の部屋に行っていいですか」





へ!?と素っ頓狂な声が出る
俺・・・心の声、漏れてた?




『いや無理でしょ・・・』


「私と遊びたいんですよね?」




長いスカートを翻し君が振り返る
赤い瞳が・・・光ってる?
太陽光だけじゃない、不思議な光。


今まで色々なものに出くわしてきた俺だけど
これには・・・驚いた。










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -