短編小説 | ナノ



火傷
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きっかけは私のミスだった




「きゃあっ!」



『……』




紅茶を旦那様のスーツにぶちまけて




「も、申し訳ありません!」


『……………』





うぇぇぇ無言が怖いよぉぉ
バタバタとタオルで
服の上から押さえ拭きして




『………熱いな』



ですよね!?



「火傷してませんか!?」



『…したかな』



「申し訳ありません、失礼します!」





震える手でシャツをめくる
確かに腕が赤くなっていた





「すぐにお医者様を呼んでまいります」



『いや、いいよ』



「でも…火傷ですし早めに」



『マリア』





腕をぐいっと引っ張られる
おわった………
クビを覚悟した





『珍しいね、君がこんなミスをするなんて』



「は…はい」



『医者はいらない。後で私の書斎にきなさい』



「…はい」





今日限りで私は
このお屋敷を追われるのか…
ほかの仕事が全く手につかないまま、
その日の午後。







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