短編小説 | ナノ



悲しい恋をする君に
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・・・・・・あの悪夢のような一夜から数週間


俺達が慕った監督生たちが学園を追われ
一時は騒然とした学園も徐々に
落ち着きを取り戻しつつあった。



いなくなった先輩達
それはそれとしてもう一つ
何か欠けてしまったような気がしてならない



『チェスロック』



『んぁ?何だァ脳筋』



『聞きたいことがある』



〈いかなる時も学友に心を配り
愛を以てこれを助けること〉
俺等の秩序たる校則の中の一節

教育、伝統とは何たるかを身を以て知った今
校則に踊らされるつもりは毛頭ないが



『マリアを最近見かけないが』


『・・・あァ』


『心配だ』



チェスロックは何か知っているのか
紫寮の元監督生、バイオレット先輩にいつも
金魚の糞のようにくっついていた女生徒の事を


あの日以降、はたと彼女を見かけなくなった。
ただ学友として彼女のことが気にかかる。



『・・・辞めたぜ』


『な!?』


『先輩追っかけて退学した』







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