短編小説 | ナノ



貴方のカノジョなんだから
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ボタンをひとつひとつ外し
じっとりと濡れたシャツをはだけさせる


先輩はぐったりとチェストにもたれかかって
とろんとした目で私の手元を見つめてる


・・・ふと至近距離で先輩の赤く濡れた瞳と目が合って・・・



『・・・・・・ごめん・・・』


「・・・いえ、」



ちょっと熱にうかされてる先輩が
扇情的、とか言ってる場合じゃないけど

ちょっと・・・かなり・・・艶っぽくて困る。



「ふ、拭きますね・・・」


『いいよ・・・シャワー浴びる・・・』


「いけません!」



思わず口調が強くなってハッと我に返る
だって、いつも私ばかり先輩に尽くしてもらって・・・

こんな時くらい、貴方のためになりたいもの。
それが女心ってモンでしょ?




「今日くらい・・・私に甘えてください」


『・・・マリア』


「タオル濡らしてきます」



ベッドサイドを立とうとしたその時
先輩の手が私の手をそっと握っていることに
気がついた

するりと抜けそうになる手を
熱くしっとりした手がぎゅっと掴む



「先輩?」


『マリア・・・いい』


「でも」



くいっと手を引かれて
私はもはや抵抗せずベッドに座る

だって・・・
やたら先輩がわがままで・・・可愛くて

母性ってこういう気持ちの事を
言うのかもしれないって
微笑みながらふと思う



『マリア・・・ここにいて』



弱々しい声で私の名前を呼んで
縋るように抱きついてくる
肩に熱い息遣いを感じて私まで熱くなって

嗚呼、やっぱり私は貴方に弱いの



「もう」


『・・・おねがい』


「・・・今日だけですよ」




・・・・・






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