短編小説 | ナノ



貴方のカノジョなんだから
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ある日の朝。
いつものように先輩の部屋に朝食を運ぶ。

今日はすっきりと晴れてて・・・
仄暗い紫寮の階段にそぐわない
明るい光が差し込む。


彼の部屋は紫寮の最上階。
階下の食堂からワイワイと騒音が聴こえる。
・・・先輩、うるさいの嫌いだもんね。



「おはようございます」



『・・・・・・』



よく寝てる・・・
いつもなら私のノックの音が
目覚まし代わりなのに。
最近忙しかったから当然かな。

でも今日先輩は確か
一限目から授業がある日。

かわいそうだけど・・・起こさなきゃ。




「おはようございます先輩・・・起きましょ」


『・・・ん・・・・・・』




テーブルに朝食を起きながら声を掛けるが
もぞもぞとシーツが擦れる音がするだけで
一向に起きてくる気配はない。



「先輩・・・」


『・・・・・・・・・』



先輩の少し開いた唇にそっとキスをする
ん?なんだかいつもより・・・
唇で感じる彼の吐息が熱っぽい・・・?


赤みがさした彼の額にそっと手を置く



「先輩・・・ちょっと」


『・・・う』


「大丈夫?」



あっ・・・・・・つい!
先輩の額はぼわっと熱くて
思わず手を引いてしまいそうなほど。



『・・・・・・マリア・・・?』


「起きないで・・・寝ててください・・・!」


『・・・う、なんか・・・だる・・・』



大変!
考えるよりも先ずは行動しなきゃ!







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