短編小説 | ナノ



目撃者
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真っ白なシーツの中で深い眠りから覚め、朝の気だるさに身を委ねる。隣に寝ている彼の体温が心地良くて、もう一度するすると彼の胸元に潜り込み、足を絡ませる。


お互い一糸纏わぬ姿で。彼もまどろみの中、私をぎゅっと抱きしめてくれて。昨晩あんなに何度も情熱的に抱かれたのに、また少し欲が出てくる自分がなんだか恥ずかしい。悶々としながら彼の白い胸をツッと撫でてみる。くすぐったそうに身をよじると、もっと強く抱きしめられて。


今日は土曜日。授業も予定もない。ずっと昼まで2人きり、このまま抱き合っていられたら幸せ。……なんて思っていたところ、何やら扉の外がバタバタ騒がしい。どうしたんだろう?ちょっと覚醒してきた頭を上げて、まだ寝息を立てている彼を起こす。




「ねぇ、先輩。」



『…ん、おはよ…』



「おはよう、ね、バイオレット先輩。
やけに外がバタついてますよ」



『…んん?…何だろ…』




起き上がる気配がない。
それどころか、さらに毛布に潜り込もうとする先輩。私を道連れにして。




「もう、先輩ってば! いいの?ほっといて」



『大丈夫…何かあったらチェスロックがくるよ…』




そうですか……って!それかなりまずくない!?やばいでしょ!?
いま私たちベッドの上で、薄い毛布の中で裸で抱き合ってるんですよ!?







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