短編小説 | ナノ



火傷
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旦那様の仕事が終わった
タイミングを見計らい
部屋をノックする





「失礼…します」




旦那様はクスッと笑ってる
まさに"氷の微笑"………




『疲れた顔してるね』



「…いいえ……」



『ほら…こっちにおいで』





言われるままデスクに歩み寄る
整ったお顔立ちのせいか
表情が読み取れず余計に慄く





『まだ熱いんだよね…みてくれないかな?』



「はい」





腕が熱いとのことで
シャツをはだけてもらって





「…赤くなってますね」





消毒液をコットンで塗布する





『すまないね』



「とんでもありません!私のせいですから…」



『あとね…』




一番紅茶が掛かった腹にも処置をする
こっちも赤くなっていた





「…申し訳ありません…」



『本当に申し訳ないと思ってる?』





「…はい!」




やっぱり相当ご立腹なんだ
手に震えが蘇り、顔が青ざめる





『じゃあ…クビにしちゃおうかな』



「覚悟はしています…」



『そう。潔いいね』





身体が硬直して動かない
近づいてくる旦那様の顔を
直視することが出来ない
ぐっと固く目を瞑る






…ぬる




『!?』





首の濡れた感覚で吃驚する
思わず目を開けると、
旦那様が私の首筋に唇を寄せていた





「あっ・・・旦那様!?」



『・・・ふ』





顔をあげた旦那様の唇が濡れてる
首へのキスで緊張の糸が切れて
一気に腰が抜けそうになって





『はい・・・首。』



「えっ・・・」



『オヤジギャグだよ・・・笑ってよ』





立つのがやっとの私を抱えて
後ろの出窓に座らせる









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