短編小説 | ナノ



再び巡り会えたなら
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「先輩!」



『さ、練習の時間だよ』



先を行くブラバットの
あとを続くように歩き出す先輩。



「いやっ・・・先輩!先輩!!」



コートを纏った背中に縋り付く。


どうして。今会えたばかりなのに。

占い師に何を唆されたの?
どうして何も言わないの?
私のこと・・・忘れたの?


何一つ分からないまま
また貴方を失うなんて・・・絶対に嫌だ。



先輩の足がぴたりと止まる。




『・・・・・・・・・』



微かに聞こえた彼の一言に
全身の力が抜け、すとんと脚から崩れ落ちる




辛うじて指先に引っかかる先輩のコート
それすら無情にもすり抜けて・・・



「先輩・・・っ」



振り返った彼の青白い表情



ゆっくりと動く彼の唇





『ごめんね』






END







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