再び巡り会えたなら 3/4
「先輩!」 『さ、練習の時間だよ』 先を行くブラバットの あとを続くように歩き出す先輩。 「いやっ・・・先輩!先輩!!」 コートを纏った背中に縋り付く。 どうして。今会えたばかりなのに。 占い師に何を唆されたの? どうして何も言わないの? 私のこと・・・忘れたの? 何一つ分からないまま また貴方を失うなんて・・・絶対に嫌だ。 先輩の足がぴたりと止まる。 『・・・・・・・・・』 微かに聞こえた彼の一言に 全身の力が抜け、すとんと脚から崩れ落ちる 辛うじて指先に引っかかる先輩のコート それすら無情にもすり抜けて・・・ 「先輩・・・っ」 振り返った彼の青白い表情 ゆっくりと動く彼の唇 『ごめんね』 END
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