フラッシュバック3/4
『・・・・・・・・・・・・・・・っ!!』
ガシャンと派手な音を立て
立ておいたスタンドが崩れ落ち
左手で払いのけられたキャンパスが
筆と一緒に床に転がる。
床一面に油性の絵の具が散らばる。
ひどいイラつきと眩暈。
あの日傷つけられた君の気持ちが
ボクにそのまま突き刺さってくるようで。
忘れようにも、忘れられない。
『はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・』
でも君はあの時・・・
ただ「傷ついた」だけじゃなかったよね?
「ど・・・どうしたの!?」
ほん・・・っと
タイミング悪いなぁ・・・!!
『・・・・・・・・・・・・何でもない』
戻ってきた君の横を通り過ぎ
ぐちゃぐちゃになったアトリエを出ていくボクを
君は戸惑い・・・少し怯えた目で見てる
ふと舞い戻ってくる心の闇。
ボクは君といる間ずっと
これと向き合わなきゃいけないわけ・・・?
まっさらなキャンパスの真ん中に滲む
1点のシミを気にするなっていうの?
『バカ言わないでよね』
ボクのささやかな暴言は
人知れず長い廊下に消えていった。
end
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