短編小説 | ナノ



フラッシュバック
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『・・・・・・・・・・・・・・・っ!!』



ガシャンと派手な音を立て
立ておいたスタンドが崩れ落ち
左手で払いのけられたキャンパスが
筆と一緒に床に転がる。
床一面に油性の絵の具が散らばる。



ひどいイラつきと眩暈。
あの日傷つけられた君の気持ちが
ボクにそのまま突き刺さってくるようで。
忘れようにも、忘れられない。


『はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・』




でも君はあの時・・・
ただ「傷ついた」だけじゃなかったよね?




「ど・・・どうしたの!?」




ほん・・・っと
タイミング悪いなぁ・・・!!





『・・・・・・・・・・・・何でもない』



戻ってきた君の横を通り過ぎ
ぐちゃぐちゃになったアトリエを出ていくボクを
君は戸惑い・・・少し怯えた目で見てる



ふと舞い戻ってくる心の闇。
ボクは君といる間ずっと
これと向き合わなきゃいけないわけ・・・?


まっさらなキャンパスの真ん中に滲む
1点のシミを気にするなっていうの?



『バカ言わないでよね』



ボクのささやかな暴言は
人知れず長い廊下に消えていった。










end







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テーマ「人外ファンタジー」
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