短編小説 | ナノ



フラッシュバック
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「レドモンド先輩に頼まれた資料があって」

そう言って赤寮に行った
君がなかなか戻らない。
もう消灯前だし、心配になって
門扉を閉めようとする守衛に一言掛けて。

それでも戻らないから傘を持って
門扉まで降りて待ってみる。


やっと戻ってきた君は傘もささずに
肩で息をしていて
泣いてることにすぐ気がついた。


「先輩!!バイオレット先輩!!」


ボクの名前を呼びながら飛び込んできた君

雨で分かりにくかったけれど
なんだか匂いが違う。
それに・・・鎖骨に赤い傷。

あぁ、何かあったんだなって
その「何か」も大体当たりがついた。


キスしてみても・・・何か違う。
香りが?感触が?・・・気持ちが?


「バイオレット先輩・・・・・!!」


バスルームから聞こえる
ボクの名を叫ぶ君の声・・・












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